離宮は上・中・下の三つのお茶屋からなり、上離宮背後の山は借景となり、三つの離宮を連絡する松並木の道、両側に広がる田畑は総面積54万5千㎡の雄大な離宮である。
御幸門から下離宮へと足を踏み入れたが、随一門を潜ったのは御幸門、上皇の気分になった。
下離宮の中門を潜ると眼前に庭園がひらけてくる。
袖型(そでがた)灯籠を写真に撮り、後水尾上皇の扁額「壽月観(宸筆)」など池泉観賞式庭園である。
客殿は、1678(延宝6)年、東福門院没後(後水尾天皇女御、徳川2代将軍秀忠娘)、1682(天和2)年、光子(てるこ)内親王のために女院御所の奥対面所を移築したものである。
客殿は楽只軒(らくしけん)の小高い東南に階段でつながれた処である。
一ノ間の必見は霞棚、桂離宮の桂棚、醍醐寺三宝院の醍醐棚とともに「天下三棚」の一として知られている。また板戸の祇園祭の鉾を書いた作者住吉具慶で鯉の絵は円山応挙とされている。「網干の欄干」は不明であった!
続いて楽只軒、皇女・光子内親王の朱宮御所の建物で、その後、林丘寺(りんきゅうじ)という寺に改められた。林丘寺境内の約半分、楽只軒と客殿が宮内省(1885(明治18))年に返され離宮の一部となったが林丘寺は門跡尼寺として今も存続している。
浴龍池は、島の形を泳ぐ龍の姿に見立てたといわれ、池を巡って千歳橋の石橋は中国的な違和感があり中島(万松塢=ばんしょうう)はアンバランスの美であった。また浴龍池の西浜では御舟遊びの場で島々を廻りながら管弦や詩歌の宴が行われたという。
上離宮、隣雲亭・浴龍池、山々の借景を望む壮大な風景が広がる光景、今回修学院離宮は2度目の参観をさせていただいた。自分は手足に障害を持っているが途中、坂道を上り下り約3キロの行程、職員がゆっくり歩かれるのでとても参観しやすかった。
<修学院離宮>
宮内庁京都事務所参観係 電話:075-211-1215
参観所要時間:約1時間20分
料金:無料
交通:叡山電車 修学院下車 徒歩約20分
市バス修学院離宮道下車 徒歩約15分
駐車場:なし
車椅子:不可
予約方法:事前予約制
「往復はがき又はホームページから申し込み」
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