苑内には近衛邸址の枝垂れの糸桜や閑院宮邸跡前の大島桜他、山桜、里桜、八重紅枝垂れ桜、霞桜など約1100本の桜があるという。
建春門前の山桜のすぐ近く、学習院跡があるが松の幹から桜が生えている「桜松」と呼ばれる山桜があり、今年も満開の桜の花を咲かせている。
この桜松は、クロマツの空洞に山桜の種が地面まで落ちて根を張り生長して、10数メートルのクロマツの小枝で桜の花を咲かせていた。
しかし老木のクロマツは桜を包み込むようにして1996(平成8)年に倒れたという。だが桜は松が倒れた後も、松を筒抜けて大地に根をおろしているもので、この桜を「桜松」と呼んでいる。
枯れた松、倒木17年後の現在も桜はそのまま咲き続け、「桜松」の美しさと薄赤茶の新葉が眩しく映えていた。
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