2013年4月14日日曜日

京都 日本新薬・山科植物資料館見学

日頃お世話になっている‘植物愛好家’のH・M氏から日本新薬・山科植物資料館のお誘いを受け、先日(11日)見学訪問した。京都山科盆地の山科駅前から南側に広がる一角に山科植物資料館があり、近隣には小野小町ゆかりの随心院、醍醐寺や勧修寺などがある。
左セミナールームと右ミブヨモギ記念会館。山科盆地の南側に日本新薬の山科植物資料館がある。山科植物資料館は、今ではビッシリと住宅が立ち並んでいるが1934(昭和9)年にサントニン(回虫駆除薬)を含有する「ミブヨモギ」の栽培試験圃場としてスタートしたところである。
ミブヨモギ山科2号は国産のサントニン抽出に成功した。月桂樹の花、葉は香辛料として使われる。あまり広くない市街地の中にある山科植物資料館は、以来、今日までに世界各地から収集した3000種を越す薬用・有用植物を栽植している。
ミツガシワといって氷河期の生き残りで白い花を咲かす。オドリコソウ。1934年11月「山科試験農場」として開設され歴史は始まった。当時、初代社長の夢であった回虫駆除薬のサントニンの国産化に全社あげて取組んだ。
キバナノクリンザクラは利尿やリュウマチ、花は鎮静、痙攣作用。花梨の花(バラ科)で去痰や下痢作用によい。ヨーロッパからサントニン含有植物ミブヨモギの種子を入手し、日本各地で試験栽培が行なわれていた。だがこの植物は日本ではなかなか増殖せず、またサントニン含量も低いものであった。
白花のニワザクラ(バラ科)。これからシーズンを迎えるサクラソウ。そのため日本で容易に栽培でき、しかもサントニン含量 の高い品種を育種することが当時の緊急課題であった。
カタクリに似たヒメバキ?は絶滅危惧種。アケビの花。本施設はこの目的のために開設されたので、そして苦難の末、その後、サントニン生産に最も活躍した 「山科2号」という優良品種が誕生した。
春なのに葉が色づくオオバベニガシワの木。1953年、ミブヨモギをさらに遺伝学的観点から研究し、より優良な品種開発や新たな薬用植物の品種改良を行なうために研究所本館、ガラス室などが増設され「山科薬用植物研究所」が開設された。その後、1994年「山科植物資料館」と改称された。
温室に入るとカエルが眠っていた!!シマムラサキツユクサ(ツユクサ科)主に観賞用。市街地の中に建っていてそれほど広くないが大温室(65坪)1棟、ガラス室2棟(30坪と20坪)、見本園、樹木園、標本室、資料室、研究室などが設置されている。
カッパリス・スピノサ・イネルミス(フウチョウソウ科)魚料理に使われる。エリスロクシルム・デラゴエンセ(コカノキ科)葉にコカインを含まない。館内敷地面積は約2400坪で世界各地から集められた約3000種の薬用・有用植物などが栽植されている。 山浦館長の親切な解説をしていただきとても解り易く、小さな園内には薬草・香辛料を初め珍しい植物などが見やすく栽培・展示されていた。つづく・・・

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