市バス‘山中越え’から広沢池の東側にある「平安郷」に行く途中、美しい桜の光景に見惚れ思わず上空を見上げた。ここは京都の桜守・佐野藤右衛門さん邸の桜である。
佐野さんは代々、藤右衛門を襲名して16代目を数える嵯峨の桜守で御室御所に仕える植木職人としても知られている。
嵐山・広沢池の近くにある私邸には数々の桜が植えられていて、現在約200種類の桜を保存し、花の見ごろの季節だけ一般に公開されている。
青空の下、道路に張り出した桜並木を通って奥に入っていくと枝垂れ桜の細い枝が春風になびいていて淡紅色や濃紅枝垂れの花が美しかった。
苑内の処々には緋毛氈と床机なども置かれ、夜間は篝(かがり)火も焚かれ幻想的な雰囲気になるという。
先代の藤右衛門さんは全国の桜の詳細を本にまとめ、15代目藤右衛門さんは京都円山公園の
枝垂れ桜は有名で「祇園の夜桜」として親しまれている。
16代藤右衛門さん(当代)は諸外国にある日本庭園の桜も手掛けている。
周囲は色々な樹木に囲まれ、市民や観光に訪れた人々は藤右衛門邸の桜を好んで愛でていた。
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