拝殿の横には鞠庭(まりにわ)が設けられ、最初に枝鞠(えだまり)から鞠を切り離す(解く)神事で「解鞠(ときまり)」が行われた。季節は春で枝鞠は桜を用い、鞠を紙縒(こより)で結びつけられるもので慎重に、鞠を鞠庭の中央にセットした。
古代装束に身を包んだ8人の鞠人たちは当宮の鞠庭で巧みな足さばきで「アリャ」「オウ」というかけ声とともに鞠を蹴った。
鞠の大きさは直径約20センチ・重さは約150グラム、表面には鹿の革が使われ中は大麦の穀粒が詰め込まれているという。
なお蹴鞠の流派『飛鳥井流』を受け継ぐ蹴鞠保存会(しゅうきくほぞんかい)の方が中心となって行われ、この日は一般の参加も可能であった。ちなみに、蹴鞠は538年の仏教伝来と共に伝わったと謂われ、貴族社会の交遊の場と思いきや鎌倉、室町時代には広く庶民の間でも行われるようになったという。
和歌の宗家としても知られ飛鳥井家の祖と言われる「飛鳥井雅経(あすかいまさつね)」は新古今和歌集を撰者した一人でもある。
桜の花びらが舞う中、うららかな日を一層のどかにしてくれる雅な蹴鞠奉納を堪能した。
<春季例大祭 白峯神宮>
場所:京都市上京区今出川通堀川東入ル飛鳥井町261
時間:蹴鞠:11時半~
交通: 市バス9「堀川今出川」
電話: 075-441-3810
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