2011年4月23日土曜日

雨宝院「うほういん(西陣聖天宮)」

雨宝院は京都西陣のほぼ中央、今出川通智恵光院を北へ入った地にある。 古くから雨宝院は“西陣の聖天”さんと親しまれている。松月桜?本堂前にある紅しだれ桜
山門は西側と南側にあり境内に参詣するには智恵光院西行一方通行が目印である。南側は通りが狭く車両が来たら横になって避けなければならない小路である!
古儀真言宗の寺院で北向山(ほっこうさん)雨宝院と言って、821(弘仁12)年、弘法大師(空海)が嵯峨天皇の御病平癒を祈願して本堂の本尊「聖天(大聖歓喜天)像」を安置したのが始まりと伝えられる。
蝦夷錦が見事に咲いていた真っ赤なふいり侘助
西陣聖天とは大聖歓喜天のことで、象頭人身の像、通常多くは男女二体が抱き合う姿で表され、財宝・夫婦和合を祈る本尊である。
当院の歓喜天は単身の像で秘仏なためその姿は絶対に見ることはできない!清楚な大山ツバキ
曙
境内、観音堂の千手観音立像は藤原時代初期の作風で重要文化財に指定されている。また、大師堂に祀られる本尊は「阿吽あせかき弘法大師像」として伝えられる。庚人堂、稲荷堂、不動堂等もある。
境内には染物に用いると良く染まるという西陣五名水の一つ「染殿の井」があり、いまでも夏の旱魃(かんばつ)時も涸れることが無いという! 南山門の観音桜、土塀は本隆寺
大聖歓喜天は、象頭人身の像で、男女二体が抱き合う姿を表す
赤松は“時雨の松”と呼ばれ久邇宮朝彦親王が参詣の際、にわか雨を樹の下で凌がれたという残話がある。創建当初、大聖歓喜寺と呼ばれたが、応仁の乱により堂宇を荒廃し、雨宝院のみが再興された。観音桜がお堂の前で
桜の饗宴
雨宝院はお庭の隅々等はきれいに整えられ、四季折々の花々が咲いていて特にツバキと桜が有名である。椿の花は曙や蝦夷錦、ふいり侘助、大山椿、五色八重椿など手入れも万全だ。珍しい緑色の花を咲かす御衣黄
境内からはみ出しそうに咲き誇っていた
春は紅しだれ桜が咲き、順々に本堂・観音堂前の歓喜桜や観音桜、松月桜が美しく咲き乱れる。歓喜桜は御室の八重桜と同種で根元から桜の花が咲くという。また雨宝院では、緑色の花を咲かす御衣黄(ぎょいこう)という珍しい桜も観賞することができ境内からはみ出しそうに咲き誇っていた。 訪れた誰もが息を飲む桜の光景、まるで桜花の傘の下にいるように感じた
歓喜桜は御室の八重桜と同種で根元から桜の花が咲く
小さなお寺にギッシリの桜の花、訪れた誰もが息を飲む桜の光景、まるで桜花の傘の下にいるように感じた。雨宝院は一度は訪ねて観たいところである。
明日は首途八幡宮(かどではちまんぐう)を更新する。
<雨宝院>
住 所:京都市上京区智恵光院通上立売西入上る聖天町9-3 
電 話:075-441-8678
拝 観:境内自由
    (仏像拝観は事前連絡の事)
交 通:地下鉄今出川駅から徒歩約20分
    市バス 今出川浄福寺バス停より徒歩約8分

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