立春のあと迎える大祭で2月の功徳日は「一億劫日功徳日(いちおくこうじつくどくび)」、祈祷してもらうと一億日分お参りしたご利益があり、参詣すると縁起が善く、限りない広大無辺の功徳が摂受できるとされ毎年、全国各地から参拝者が訪れる。
上徳寺は1603(慶長8)年に徳川家康公の側室・阿茶局(上徳院)と息女の菩提を弔うために建立した。本堂は永観堂の堂宇を移築したもので、本尊は家康が鞭碕神社(滋賀草津)から移設、伝快慶作の阿弥陀如来像である。
河原町五条の西南、富小路を少し下った西側に上徳寺の山門があり、世継地蔵大菩薩と書かれた提灯がずらりと並んでいる。参道を斜めに歩くと奥の地蔵堂前に出る、地蔵尊は特に子授けや安産に霊験があるとされ古くから多くの崇敬を集めている。
寺伝によれば江戸初期のころ、世継に恵ぐまれず一心に念じたところ地蔵さんの夢を受け、やがて子を授かり家運長久したことから「世継地蔵尊」と呼ばれるようになった。だが江戸末期ごろ火難に遭い、地蔵堂の地蔵尊は顔や体が黒と白のまだら模様になっているという。
当寺の絵馬の五角形は上下が逆で、ぶら下げるとよだれ掛けの形になるという。お堂の周囲には「健康な赤ちゃんが授かりますように」「元気な子が生まれました」などと書かれた絵馬『よだれ掛け』がびっしりと掛かっていた。またお堂の廻りを左から吉数や歳の数の竹をもって一心に祈念しつつ回る「数とり竹」もある。
世継を授けてくれるありがたい地蔵尊、少子化の日本、子孫が欲しくても子宝が授からない人が多くその存在感は今後さらに増加するだろう。安産と子授けの地蔵尊を祀る“京の世継ぎさん”古くから子授け・安産の寺として信仰されている。
<世継地蔵 上徳寺>
場所:京都市下京区富小路通五条下ル本塩竈町556
電話:075-351-4360
拝観時間:9:00 - 17:00
拝観料金:無料
交通:京阪電車・清水五条駅下車徒歩約5分
市バス・河原町五条下車徒歩約2分
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