湯立神楽は日本の伝統的な神楽の形式のひとつで、神社によってかなり違いがあるがいまも各地方で営まれている。城南宮の湯立神楽は大釜に湯を沸かし、米・酒・塩を入れ、豪快に笹でかき混ぜながら勢いよく湯をふりまく神事で、湯がかかると無病息災・願望成就のご利益があると言われている。
神事の儀式は、三部構成になっており、最初は神主が本殿に礼拝し、参拝者も何度も深々と礼拝した。拝殿には4人の巫女や雅楽よる舞の奉納「祓神楽」が行われた。その後、襷掛けの巫女が、儀式に則って「湯立神楽」を執り行った。
「杓取(ししゃく)の儀」といって、柄杓で天の水を掬って大釜の湯に注ぎいれる所作をし、塩を撒いて釜を清め、沸き立つ湯に選米と神酒を入れる。次いで笛・太鼓の雅楽にあわせて神憑り(神霊が人に乗り移ること)のように御幣を手にして舞った。
いよいよクライマックスで、巫女が両手に笹の束を持ち、何回も笹の葉で勢いよく大釜の湯を散らした。参拝者は頭をさげて白い湯気としぶきを浴びて新年の無事を願っていた。また湯にかからなかった参拝者は、大釜の湯煙を足腰や、肩、頭などに撫で付けたりしていた。
古くから新築・増改築、転宅など方角にまつわる災いを祓い除き、安心を与えてくださる神として昔から崇められている。伏見・城南宮の湯立神楽は1979(昭和54)年に再開したもので、2010年以来三年ぶりとなった。
<城南宮・湯立神楽>
場所:城南宮 本殿前 電話:075-623-0846
時間:午後2:00~
料金:拝観・無料
交通:地下鉄・近鉄「竹田」駅下車、徒歩約15分
市バス「城南宮東口」下車
駐車場:無料
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