2012年4月5日木曜日

洛西 桂離宮(かつらりきゅう)

京都市内から離れた「桂離宮」は、桂大橋西北に位置し桂川西岸に在る。
5日、桂離宮に行ったが去年の4月と二度目の参観である。
桂離宮の表門御幸門江戸時代初期に初代・八条宮智仁親王と二代智忠親王が別荘として造営したもので、敷地面積約7ヘクタールの離宮は日本庭園として最高の名園といわれている。
中央に心字池があり、大小五つの中島に土橋、板橋、石橋を渡し、その周りに書院など七つの茶亭を配した回遊式の庭園は35年の歳月をかけ完成された日本庭園の傑作である。 苑路を進むと池は全く姿を消したり、眼前に洋々と広がったり、その変化に驚いてしまう!
薩摩島津家から献上された蘇鉄山二重桝形の手水鉢と丈の低い灯篭古くからこの地は貴族の別荘地として知られ、桂と謂う地名も中国の「月桂」からの由来だとされている。しかし、庭園作庭は“小堀遠州”ではない、建築は遠州好みの技法が随所に見受けられ、智仁・智忠親王の趣味趣向や工匠、造園師らの技が一致したものである。
茅葺の茶室松琴亭の待合い、外腰掛、雪隠(便所)付いている山桜と桂離宮歴史は、後陽成天皇の弟・初代・智仁親王は、初め豊臣秀吉の養子となったが秀吉に実子が誕生したため、八条宮家(桂宮家)を創設したものである。智仁親王没後10年余り山荘も荒廃していたが、二代智忠親王は加賀前田藩主の息女と結婚され山荘復興・増築に意欲的に取り組んだ。
松琴亭から見た天の橋立松琴亭の市松模様と竈 1662(寛文2)年ごろは、中書院、新御殿、月波楼、松琴亭、賞花亭、笑意軒等を新増築された。表門と御幸門(みゆきもん)は離宮の北側にあり表門は桂離宮の正門で特別の場合以外は開けられることはない。普段の出入りは、右手、南側に回り込んだ所にある黒御門が使用されている。茶室・松琴亭の待合い腰掛であり、前を自然石と切り石を巧みに配した延段が長く延び、両端を二重桝形(ますがた)の手水鉢と丈の低い灯籠で引き締めている。対面は蘇鉄山があり、薩摩島津家から献上されたと伝えられている。
洲浜(すはま)は黒く扁平な石が敷き詰められ池に突き出している。先端に灯籠を据えて岬の灯台に見立てて「海」を演出している。その先の中島と石橋のつながりは、「天の橋立」に見立てたものと言われている。
大きなしだれ桜賞花亭は小高い丘にある桂離宮で最も格の高い茅葺入母屋造りの茶室で“一本の切石”を渡した橋を渡ると「松琴亭」である。橋を渡る手前から松琴亭屋根の妻に「松琴」の扁額が見える。にじり口の内側は三畳台目(茶室用の畳)の本格的な茶室で、遠州好みの八窓の囲いである。松琴亭外観は、東、北、西の三方から眺めるとそれぞれに異なる風情が楽しめる。北側廊下の竈(かまど)構えと一の間の床や襖の青と白の市松模様は大胆かつ柔軟な発想と創意によるもので、そのデザインは現代になおいきいきと相通ずる斬新さをもっている。
笑意軒としだれ桜しだれ桜 山荘の池や庭園の姿の美的感覚は亡き父の後を譲り受けた二代智忠親王が整えられた。その後、八条宮家は京極宮や桂宮と改称され1881(明治14)年、十一代淑子(すみこ)内親王が亡くなられるとともに途絶えた。
桂離宮には真(しん)行(ぎょう)早(そう)の三つの飛石があり、庭の敷石で長方形の切り石と自然石とを組み合わせた延段の飛石の変化を楽しみつつ、入江や州浜・山里で深く四季折々映し出される自然の美を味わう!というが、足の悪い障害者には飛石が特に注意が必要となった!
書院と桜心字池に映る月を眺め・・・ 峠の茶屋風の“賞花亭(しょうかてい)”が小高い丘の位置、本瓦葺宝形造り屋根の園林堂(おんりんどう)がある。笑意軒(しょういけん)は、田舎屋風の茶室である。桂離宮の中枢をなす書院群は、東から古書院、楽器の間、新御殿と、雁行形に連なって立ち並んでいる。月を観賞するために古書院二の間の正面広縁には池に突き出すように月見台が竹簀子(すのこ)で作られている。
月波楼左は山、右は池が望める月波楼(げつぱろう)は古書院に近い池辺の高みに建つ茶亭で、月を見るのによい位置にあり開放的である。土間の右手の部屋は池を眺めて見晴らしが良く、土間の奥の座敷から北を見ると池は隠れて見えない趣向であり山が現れる。紅葉のときは山がきれいで格別の感がある。化粧屋根裏の竹の垂木が舟の底のような形に組んである。御輿寄(おこしよせ)は書院の玄関で、前庭は杉苔で覆われている。今までの苑路には見られなかった切り石の堅さのある構成で、六人の沓を並ベられることから「六つの沓脱」という。
大きな松がある御興寄、一枚石の六つの沓脱がある豊臣時代から家康の世へと移る動乱期、八条宮智仁・智忠親王が造り上げた「美の空間」茶室や御殿、誇らしげな美しさよりも慎ましやかなものにこそ「日本の美」は称讃されてきた。古都・京都の情緒をゆったりと味い、今昔より相応しくさりげない表情をみせる名刹庭園である。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

新しいブログ投稿できましたかー?
私、白衣のものですw
僕は昨日桜のライトアップ巡りをしてきましたよ(^-^)
京都の春は今が見頃ですね!

早くエラーが治ってブログ公開つづけられたらいいですねー!!!

gottuan さんのコメント...

いつもご愛読いただきましてありがとうございます。
3月30日からpcの具合が思わしくなく、ブログができなくなりました。
これから春・サクラだと言うのに・・・・がっくりです!

でも、カメラを片手に日々、取材に出かけています。
長徳寺のオカメ桜や百万編知恩寺、桂離宮もアップしています。

どうぞこれからも拙いブログご笑覧ください。