2015年7月1日水曜日

夏越の祓 松尾大社

30日、右京区松尾大社では午後15:00から「夏越の祓(なごしのはらえ)」が行なわれた。「夏越の祓」は、半年分のケガレを落とす行事で、半年後の12月末には、同様に厄除けをする「年越の祓」がある。この二つの行事は、心身を清めてお盆や新しい年を迎えるためのものである。
夏越の祓とは、「茅の輪をくぐり(ちのわくぐり)」によって、半年間の汚れを祓い清めて無病息災を祈願、日本各地の神社で行なわれている伝統行事である。
境内に作られた大きな茅の輪の中を「水無月の夏越の祓する人は、千歳(ちとせ)の命延(の)ぶというなり」と唱えながら8の字を書くように3度くぐり抜ける。茅の輪をくぐることで、病気や災いを免れることができるとされている。
由来は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらひ)に遡り、昔、ある兄弟のところに一人の旅人(スサノオノミコト)が現れて一夜の宿を頼んだ。
裕福な兄は旅人を冷たく断り、貧しいながらも弟の蘇民将来(そみんしょうらい)は温かく旅人を振舞ったという。
数年後、旅人(スサノオノミコト)が恩返しにと再び蘇民を訪れた。
その教えに従って「茅の輪を腰に付け」たところ疫病から逃れられ、子々孫々まで繁栄したということである。家の玄関に『蘇民将来札』というお札を貼り厄除けにするという風習が残っている。
また松尾大社では、人形(ひとがた)を流して厄落としをした。人の形を模した紙の形代(かたしろ)で人形に自分の名前や年齢などを書き、それで体を撫でて人形に罪やケガレを移し、身代わりとして唐櫃に納め神職が人形を境内を流れる一ノ井川沿いの水面に流す神事で清め、厄を落とした。
京都には「夏越しの祓」の日に食べる「水無月」と呼ばれる、三角形(氷を意味する)の伝統的な和菓子があり習慣となっている。
茅の輪くぐりは本来、日常無意識のうちに身についた穢れや災いを祓い落す神事で、神社によっては時間が異なっている。
大晦日の年越し行事のような派手さはないが、「夏越の祓」も大切な節目の行事とされていて6月末半年の健康と厄除けを祈願をした。(6/30撮影)

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