2009年6月15日月曜日

沙羅双樹 東林院

散りゆく”一日花”
沙羅双樹の寺、東林院
妙心寺塔頭の東林院では沙羅双樹の花時期に特別公開(2009年6/12-30お抹茶付きで1580円)され大勢の人で賑わっている。
普段は非公開の寺院だが季節の折り目に公開され、今は「沙羅の花を愛でる会」と云う催しとして限定公開されている。 和尚から説法を聞き「沙羅の花を愛でる会」
沙羅の花は一日だけ東林院は沙羅双樹の寺として有名だが、残念なことに3年前その古木(高さが約15mあり樹齢約300年といわれていた)が枯れてしまった。今は十一本の種木が前庭にあり、落ちた白い花が緑の苔の上に美しく、はかない姿を見せている。
沙羅は別名ナツツバキと言い、ツバキに似た五弁の花は、朝に咲き夕には散りゆく”一日花”で、はかなさの象徴として、また人の世の常ならぬことを現している。あの平家物語の中で「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす・・・」とあるが、平家物語の一節などを思い出しながら散り花を観賞するのも楽しい!樹齢350年古木も枯れた!
この木で60年根がしっかり張っている東林院の沙羅双樹は別なもので夏椿だが、日本の寺院では木肌が赤く褐色で光沢あるところがインドの沙羅の木に似ているところから、特に双樹形をなしている木を沙羅双樹と云う。釈迦入滅に開花をし、釈迦の死を悲しんだというこの花は今も無常を伝え続ける。
「今日なすべきことを明日に延ばさず、確かにしてくこと」と釈迦は教えた。
沙羅の花は無常のみではなく、与えられた一日だけの生命を精一杯咲くことも教えている。
参拝者が白い沙羅の花が散った庭の風情を楽しんでいる玄関前にあった沙羅の花抹茶と沙羅双樹に見たてた和菓子をいただきながら方丈庭園を眺めれば、青い苔の上に可憐にはかなく散った沙羅双樹の白い花、花、花・・・沙羅の花は一日だけの生命を悲しんでいるのではなく、与えられた一日だけの生命を精一杯に咲き尽くしている。
今日を無駄にはできない、今しかない。二度とめぐり来ない今日一日を大切に、悔いなき人生を・・・・・はらりと落ち行く沙羅の花、沙羅の花のはかなさ、他の花にない何かを感じ多くの参拝者が白い沙羅の花が散った庭の風情を楽しんでいる。
■ 特別入山(年3回)■
●沙羅の花を愛でる会
●梵燈のあかりに親しむ会
●小豆粥で初春を祝う会
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