2009年12月9日水曜日

針供養 虚空蔵 法輪寺

「十三詣り」や「針供養」の寺として知られている虚空蔵法輪寺は「嵯峨の虚空蔵」さんと親しまれている。本堂
本堂の中京都・名勝嵐山の中腹にあり、船下りで有名な保津川、渡月橋付近の大堰(おおい)川は基より遠く比叡の山々や愛宕山、双ヶ岡・京都タワーなど市内一望出来る見晴らし台もある。愛宕山から北山連峰・渡月橋がみえる
東山三十六峰・双ヶ岡も見える!
虚空蔵法輪寺は本尊を虚空蔵菩薩という。
虚空蔵は、その文字が表すように、虚空「大空(宇宙)の母胎」を意味するという。宇宙がこの世の森羅万象(しんらばんしょう=宇宙に存在する一切のもの)の総てを包容している。虚空蔵菩薩はこの大空の徳性を総合する菩薩で無限の知恵と慈悲が現れる。
道昌(どうしょう)僧正は、弘法大師の教えに従い、百日間の虚空蔵求聞持法を修し、満願の日に虚空蔵菩薩が来迎、その姿が消えなかったと伝えられる。 多宝塔の横にある針供養塔針供養の儀式
虚空蔵菩薩経の中で、「若し知恵を得んと欲し、衆の愛著を得んと欲し、若し技芸を好み精巧を得んと欲し、種々の眷属を得んと欲し、乃至名聞を得んと欲する者は、この呪いを持し、また我が名を称念せよ」としている。
今昔物語・枕草子・平家物語などにも登場し、地元では「十三詣り」の寺としても名高いが、特に技芸・芸能関係者の守護仏としても信仰されている。
十三詣りは、江戸時代に始まったとされ、数え年十三歳に成長した男女が正装し、法輪寺に参拝し虚空蔵菩薩の知恵を授かろうという風習で古代京都の伝統的な祭事である。参拝帰りの子供たちは、渡月橋を渡り終えぬまでに振り返ると虚空像菩薩に授かった知恵を失うと云われ、前を見て必死に歩くという微笑ましい風景が繰り広げる。僧侶とカラフルに着飾った女性4人柔らかいコンニャクに刺して休ませる
同じように、針供養も諸芸に通じた虚空蔵菩薩に針技術の上達祈願針への感謝の意として行われる。
針供養は天皇の命により始まったと云われ、折れた針や曲がった針を供養し、針を柔らかいコンニャクなどに刺して休ませることで裁縫の上達を祈ったという。大きなコンニャクに大針を刺しての針供養は“古都の冬の風物詩”のひとつ。使用済みの針は、法要の執り行われる当日に持参すればよく「お針約箱」は一杯になっていた。
多宝塔「お針約箱」は一杯になっていた
法輪寺の虚空蔵菩薩は、針仕事に携わる人の信仰の場と云うことから今も智恵、福徳、「針供養」技芸上達、「漆祖神」の仏様として奉られている。また、丑寅年生の護本尊としても有名である。
石段の途中に珍しい「電電宮」という名前の小さな祠がある。階段下にはヘルツ、エジソンのレリーフも掲げられているが、この電電宮の周りに立つ奉納・寄進者名板を見ると、国内の大手電気・電子関連や放送関連の会社名がずらりと並んでいる。水面に柿が映って綺麗だった!
帰り道はこの道を通る左手に渡月橋を渡るときに見えていた多宝塔がある。また、その昔、渡月橋は「法輪寺橋」の名であったが亀山天皇はこの橋を見て、「くまなき月の渡るに似たり」として渡月橋と命名したという。
<虚空蔵法輪寺>
境 内:無料
電 話:075-862-0013
駐車場:あり
障害者:可
交 通:JR嵯峨野線 嵯峨嵐山駅下車 徒歩15分
     京福電鉄(四条大宮~嵐山):嵐山駅下車徒歩5分
     阪急電鉄(嵐山線)嵐山駅下車徒歩2分
     市バス 嵐山公園下車徒歩2分

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