「区民・誇りの木」になっている、ヒトツバタゴの木は初夏を迎えるころ一斉に白い花びらを靡かせている。ヒトツバタゴは、別名「ナンジャモンジャ」といってモクセイ科ヒトツバタゴ属の一種である。
洛西NT高島屋東通路や西竹の里バス停周辺付近にもある。真っ白い花が樹木一面を覆い、さながら雪が積もっているのではと、見違えるように感じた!
花を観察すると枝上に円錐状の集散花の配列をつけて、多数の小さな真っ白い花を開き、そよ吹く風になびかせて可憐に咲いている。
花冠は長さ1.5~2cmで深く4裂、裂片は細く初夏の花として、清々しい気持ち与え爽やかな涼風を感じさせる。秋には、直径1cm程度の楕円形の黒く熟した果実をつける。
日本では対馬・愛知や岐阜県木曽川周辺に分布し、自生する珍しい木である。種が風や野鳥に運ばれ広く自生するが、天然での分布域も狭く岐阜や愛知・長崎三県の自生地は国の天然記念物として指定され保護されている。
日本では絶滅危惧に指定され「ヒトツバタゴ」は希少種のひとつである。東京明治神宮外苑では、ヒトツバタゴのことを名前の不明な珍木で“ナンジャモンジャノキ”と呼ばれていたという。
昨年と同様、春の訪れが遅くゴールデンウィークの休暇ころ、やっと白い花は満開になった。ヒトツバタゴは同じモクセイ科の「トネリコ(別名タゴ)」に似ているが『一つ葉タゴ』は単葉であり、この和名がついた。
今回は洛西高島屋周辺と西竹の里バス停付近を散策してみた。洛西のケヤキ並木路も新緑に萌え鮮やかに映えている。
人気もない“ヒトツバタゴ”の「なんじゃもんじゃのしろい花」が、さやかな初夏をあたえてくれる。
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