流鏑馬神事 賀茂御祖神社

3日、葵祭の前儀として道中を払い清める『流鏑馬（やぶさめ）神事』の伝統行事が下鴨神社で午後1時から行われた。

新緑が輝く境内の「糺（ただす）の森」で、全長約400ｍの馬場を公家風の束帯姿や武家風の狩装束姿に身を包んだ射手たちが、疾走する馬上から三ヶ所の的を目がけて矢を射る勇壮な神事であった

1973（昭和48）年、下鴨神社の式年遷宮の記念行事として、名称を流鏑馬神事と改め、100数年ぶりに復活、小笹原流同門会の支援を受け、賀茂祭（葵祭）の前儀・流鏑馬神事が行われている。

この日は曇天、薄日がこぼれる「糺の森」の約400mの馬場を15秒間で一気に疾走する人馬一体の一瞬の妙技に観覧者たちは、あっけにとられていた。流鏑馬は、「矢伏射馬」とも書れ、馬を走らせながら鏑矢を射ることである。

100mおきに設けられた3つの的を狙い、「イン、ヨー（陰陽）」という掛け声とともに矢を放ち、的の板が「カーン」と割れるたびに大きな歓声がわいた。

その歴史は雄略天皇の即位の年（457）に「騁射（うまゆみ）」を行ったと伝え、また天武天皇9年（682）「長柄宮にて馬的射」ともあり、これもまた流鏑馬のことで、古くから行われていたという。 その後は、武家が狩装束姿を着け、流鏑馬を行うのが習となっている。

馬上に手綱を放し、弓を射る様に勇壮な伝統“流鏑馬神事”に大勢の観客が魅了していた。

＜流鏑馬神事＞

賀茂御祖神社(下鴨神社)

住所：京都市左京区下鴨泉川町59　電話：TEL 075-781-0010

拝観：境内自由　 　　　

        ●流鏑馬神事　特別観覧料2000円（葵祭冊子付）

交通：京阪本線「出町柳」駅、叡山電鉄「出町柳」駅下車、徒歩7分