27日、東山区の浄土宗総本山・知恩院で大晦日を前に除夜の鐘の‘試し突き’が行われた。試し突きは予定通り午後2時から3時ごろまで行われ、一目観ようとする観光客や市民、写真愛好家らに大梵鐘の四隅は埋め尽くされた。
年の瀬の古都に重厚な音を響かせ、一足早く除夜の鐘が響き渡った。
鐘の‘試し突き’は、僧侶が全身を使い鐘を突き、息を合わせるように「えーい、ひとーつ」「そーれ」の掛け声を同時に撞木に結ばれた子綱を僧侶16人が一斉に引き、親綱1人を持つ僧が仰向けになり反り返るようにして地面スレスレに力強く鐘をついた。
満身の力を込めて突いた大鐘の音は「グォ~ン~~」と周囲に染み渡るように鳴り響いた。
あぁ~危ない、親綱を持つ一人の僧が足を滑らせた!
大鐘楼を囲んだ数百人の人々から大きな拍手が起った。
時計係の指図に従いえ~い、ひと~つ、そーれで親綱をもった僧侶が準備、除夜の鐘の本番は108つという、一年間に作る煩悩の数といわれている。
この一年間の煩悩を、「鐘を撞くこと、音を聞く」ことによって払いのけ、清らかな心になり新年を迎えたい。
知恩院の鐘は、日本三大名鐘の一といわれ1636(寛永13)年、青銅製の鋳造で口径2・8m、高さ3・3m、重さ約70tもある。
鐘の試し撞きを見物するために大阪府から始めて来たという方がも居られた。
除夜の鐘を突く模様は、31日午後10時40分からで僧侶等17名により鐘がつかれ数万人の参詣者で賑わう。
カンザクラの咲く師走の古都に除夜の鐘の“試し突き”が深く鳴り音が響き渡る年越しの風物詩だった。(12/27撮影)