2日、東山区祇園白川の巽橋で第29回の祇園放生会(ほうじょうえ)が行われた。放生会は、日ごろ食べている生き物の恵みに感謝し、魚などを池や川に放って供養する行事である。この祇園白川・辰巳大明神界隈の放生会の行事は、1986(昭和61)年から始まって今年で29回目であり古都祇園の初夏の風物詩となった。
仏教にいう放生とは、この世に生を受けた生きとし生ける一切の衆生は、全て輪廻する己自身の姿であり、我が父母兄弟であるが故に、“殺生を禁じ放生せよ”という教えに基づいている。
新橋でのロケ中で15分ほど遅れて始まった。特設ステージでは学生さんによる軽快なジャズの演奏や渋い尺八の音色が奉納された。引き続きユーモアたっぷりの天台宗慈光院・栢木寛照住職の「放生会について」の法話があった。
それからまもなくして辰巳大明神前の祭壇では比叡山大行満大阿闍梨、明王堂光永圓導師が法要が営まれた。
光永大阿闍梨と回峰行者、舞妓さん2名が手桶に入った金魚を巽橋の上から白川に放し、続いて一般参列者が約2000匹の金魚を次々に放流された。
放生会は本来、鯉であるが金魚を放流、昨年は特別に東日本震災や京都の祇園暴走輪禍が生じ、血の色を連想させないアユに変わったという。
今年は何事も起こらず平穏無事であるように願いつつ、白川に放された朱色の金魚は華やかに水辺をスイスイと泳いでいた。
大阿闍梨のカメラ撮影は禁止され、供養が終わると比叡山の大阿闍梨一行は立ち去られた。なお各地で放生会が行われているが、比叡山の大阿闍梨が下山されて奉修をされるのは祇園放生会だけという。
集まった一般市民の方々も念仏を唱えながら手桶で巽橋の上から放し、静かに手を合わせた。京都祇園の風情ある白川・巽橋周辺は、朝から大勢の人々が集まり大変な賑わいだった。(6/2 写真撮影)
<祇園放生会>
場所:祇園白川巽橋・辰巳大明神前
(東山区花見小路通新橋西入ル)
とき:6月6日(日)午前11時~
交通:京阪電車「四条」駅下車徒歩5分
お問合せ:075-701-5181(赤山禅院内 ぎをん放生会係)
0 件のコメント:
コメントを投稿