北区紫野船岡山の山腹にある建勲神社は、天下統一を果たした織田信長公の偉勲を称えて、毎年10月19日に『船岡祭』が行われている。


信長公を祀る建勲神社は船岡山の南東部に位置し、標高45m、周囲1300m、面積は2万5千坪の優美な小高い丘にあり、正しくは「建勲(たけいさお)神社」と言うが、通称「建勲(けんくん)」さんと地元の人々から親しまれている。


1869(明治2)年、明治天皇によって創建、1910(明治43)年、船岡山の山腹にあった社を山頂に遷祀し、建勲の神号は明治天皇が下賜され、1874(明治8)年、別格官幣社指定となり、1880(明治13)年9月に建立した。


1582(天正10)年に起こった「本能寺の変」後、豊臣秀吉が正親町(おおぎまち)天皇の勅許を受けて寺号も賜ったが竣工は中途に終り、爾来船岡山は信長公の霊地とされ大切にされた。


平安京造営の際、船岡山は“玄武”の山として北の基点となり、平安時代は大宮人の清遊の地として名高い。応仁の乱の際は西方の陣地となり、以来、船岡山周辺一帯は西陣の名で呼ばれている。


建勲神社では信長公の業績を後世に伝えようと、信長公が初めて上洛した1568(永禄11)年10月19日を記念して、毎年この日に大祭「船岡祭」が行われる。祭典では、本殿祭のあと拝殿において、信長公が好んで舞ったという「敦盛」や舞楽「蝶舞」奉納が披露された。


信長ゆかりの戦国の世、人気のある‘鉄砲隊’は関係者に聞くと次回は2014年、5年に一度の開催と言う。なお船岡祭には織田家の方も参列し古式豊かに執り行われた。今日は真っ赤な法被姿の男女10数名が威勢よく「藤森太鼓」を叩いた。境内の観客たちからは盛んに拍手が送られていた。
<建勲神社 船岡祭>
住所:京都市北区紫野北舟岡町49
電話:075-451-0170
拝観:参拝自由
交通:市バス「建勲神社前」で下車、南へ徒歩5分
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