場所を中町通りに移動し“からくり”を拝見、所望(からくり)を演じる場所は25ヶ所もあり、午前中は11ヶ所で各町内の家の軒先に白と赤の「御幣」が目印として掲げられていた。目印の「御幣」に差し掛かると、曳山の責任者が「所望(しょもう)」と声をかけ、五色布を結んだ指揮棒を突き上げた。それを合図に‘からくり’が動きだした。
西行桜狸山は俗に狸山といい、治兵衛の狸面の伝承を持ち、祭の守護と先導、天気を守り毎年、先頭で巡行する。所望(からくり)は、花の中から仙人が現れ西行法師と問答する。
一番目は孔明祈水山、流れる滝をみて「敵の大軍を押し流して・・」と孔明が扇をあける。
西宮蛭子山は俗に「鯛釣山」と称し、えびすさんが鯛を釣上げることから商売繁盛を祈る。
三番目、神宮皇后山は安産の山で、所望は皇后が岩に次々と弓で文字を書く所作だった。
龍門滝山の所望は、黄河の上流にある龍門山の滝を鯉が躍り上がるところを見せる。見送りはゴブラン織で(重文)に指定されている。
五番目は西王母山、俗に桃山と呼ばれ、西王母が3千年一度、一個しか実らない貴重な桃を王に捧げ長寿を祝福したという故事で桃太郎の説話という、桃が二つに割れ童子が現れる。
猩々山(しょうじょうやま)能楽の「猩々」所望は大盃で酒を飲み顔が赤くなるところを現す。
七番目は石橋山(しゃっきょうざん)、険しい石の橋を渡ろうとした時、獅子が現れた、所望は唐獅子が牡丹の花と戯れ遊び岩の中にかくれる。
殺生石山、所望は和尚の法力で石が二つに割れ、女官の顔が狐に変わったところ見せる。
郭巨山(かつきょやま)は俗に釜堀山、中国の二十四孝の一人郭巨が「子供は又得られる、母は再び得ることはできない」土中に埋めようと穴に掘ったら、黄金の釜がでてきたいう故事による。
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