2010年12月5日日曜日

洛北 蓮華寺(れんげじ)

蓮華寺は北白川通りから大原に向かう途中にあって、かつての鯖街道(現・国道367号線)高野川のほとり上高野の地にある。
都心から離れた場所で比較的観光客が少ないのでゆっくりと紅葉を観賞できる。
イチョウの黄金色の落葉と紅葉山門は小さく質素な門構え
もと、西八条塩小路付近に(現在の京都駅)あった浄土教系の古寺で、応仁の乱後荒廃していたのを江戸時代初期の1662(寛文2)年加賀前田家の老臣・今枝近義が祖父重直の菩提のために、この地に移し再建したものである。
山号は帰命山(きみょうざん)と言い、いまは天台宗の寺院である。観光客と土蔵
小さな鐘楼蓮華寺の再興の際に、詩仙堂を造営した石川丈山や木下順庵、狩野派画家の狩野探幽、黄檗宗の開祖である隠元禅師や木庵禅師ら当時の著名文化人が協力したことが残されている。
山門は小さく質素な門構えながら趣はやはり京の都の佇まい・・・創建当時の山門が今日も残されている。本堂には庭を歩いて行く
書院の東側から清流を導いた座視鑑賞式庭園山門をくぐると庭はイチョウの落葉と紅葉に織りなす光景に絶句!
右には鐘楼があり桧皮葺・宝形の屋根と格子状の側面をもって、釣鐘には「黄檗二世 木庵瑫山僧」の銘が刻印され、宇治萬福寺と同じ形式であった。
左手には約300体といわれる石仏群が並んでいる。市電河原町線の敷設工事に際して発掘されたもので、周辺は戦災や天災による死者や受刑者の屍があった処という。これらの石仏群は大日如来像や地蔵菩薩像が供養している。
山門を入って庫裏まで延びる石畳の参道が目に入ってくる。約300体もある石仏群
黄色い絨毯を敷き詰めた感じまた参道右手に土蔵もある(非公開)。明治時代の初期まで寺子屋の教場として使われていた形跡が残されているという。
蓮華寺は黄檗宗の様式の建築と江戸初期の池泉鑑賞式庭園は書院の東側から、清流を導いた奥行きのある作りになっているが座視鑑賞式庭園で座った目線に合わせての作庭だという。本堂、釈迦如来像が安置されている
本堂に行く間に書院方向をみる書院から右手に見えるのが本堂で、正面は書院から見て裏側になり入り口には石川丈山の筆による寺額が掲げられている。本尊、釈迦如来像が安置され、左側には阿弥陀如来像(鎌倉時代の作)が安置されている。右側にも秘仏として不動明王が安置されている。天井には、狩野探幽が描いたとされる龍の図があったが、明治期に失われ、1978(昭和53)年に仏師の西村公朝によって復元されたものである。 素晴らしい光景
庫裏で手を合わす人本堂前には、六角形急勾配の笠をつけた蓮華寺型石灯籠があり、茶人の間で有名だというが見逃してしまった!苔むした庭園を楓の木々が幾重にも覆う様子は美しく、華厳寺は紅葉のころが最も素晴らしい・・・
<洛北 蓮華寺>
住   所:京都市左京区上高野八幡町1 
電   話:075-781-3494(電話連絡謝絶)
拝観時間:9:00~17:00 
拝観料金:大人・高校400円 ・障害者 無料
交   通:叡山電鉄本線三宅八幡駅から徒歩約10分
       京都バス「上橋」下車徒歩約1分

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