つづく・・・住吉大社の御田植神事(重要無形民俗文化財)は、第一本宮で植女や稚児などお祓いを受けた後、御神田までパレードをした。社伝によれば1760余年、神功皇后が田んぼを設け、長門国から植女を召して御供田を植え作らせたのが始まりといわれている。
奴を先頭に、風流武者、雑兵、楽人、宮司以下神職、八乙女(やおとめ)、稚児、御稔女(みとしめ)、植女(うえめ)、御神水、替植女(かえうえめ)、奉耕者、田植踊、住吉踊と約400人余りの大行列が御神田に移動し周囲を回った。
神田を祓い清め、神水を注いだ後、中央舞台で植女から替植女に早苗が渡され、御田では苗の植付けが始まった。
都会の真ん中で田植えのお祭が盛大で華やかな踊りや舞が繰り広げ、御田の中央に作られている舞台と御田の周囲では芸能事の披露も始まりだした。
最初は、神楽女8人よる八乙女の田舞(たまい)、舞台中央の風流花笠を中心に円をなして舞った。次に御稔女(みとしめ)による神田代舞(みとしろまい)が豊穣祈願の神楽を舞った。
風流武者行事は、保存会の青年が奉仕する甲冑武者・雑兵を統率する総大将が黒い高下駄を履き、薙刀・軍扇を使った、威厳のある武者行事を奉納し武運長久を祈った。
男児による源平棒打合戦、御田の畔(あぜ)の東西より甲冑武者が陣太鼓、陣鐘、ホラ貝を吹き鳴らし、紅白にわかれた雑兵が六尺棒の合戦を行う。後列にいくほど低学年の少年兵になり高学年の兵士に遅れをとらないよう必死になってついていくその様子は微笑ましい。
早乙女らが田植え踊り、太鼓の拍子で替植女たちが謡う田植歌に合わせ舞台と畦道で白と赤の帯が美しく、地元の小学生たちが踊る田植え姿にとても愛らしくおもえた。
最後は住吉踊で幕を閉じる、舞台では住吉踊大傘の柄をたたきながら歌に合せ、畦では地元の童女が約百余人も奉納した。「心」の字をかたどった独特の踊りのようだが、女児は軽やかに飛び跳ねるように踊っていた。
御田式場の儀も、修祓・早苗授与・田舞・神田代舞・風流武者行事・棒打合戦・田植踊・住吉踊と華やかさや威厳、かわいらしさや微笑ましさといろいろな面を見せてくれつつ、自然への尊敬と崇拝の気持ちを感じさせてくれた。
この住吉大社の御田植神事は1971年(昭和46)に、国の無形文化財に選定され1979年(昭和54)年に国の重要無形民族文化財に選定されたという。
(完)
<住吉大社>
日時: 6月14日(木) 午後1:00~3:30
拝観席料 1,000円
交通:南海線 住吉大社駅下車直ぐ
お問い合わせ:住吉大社社務所 06-6672-0753
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