2011年3月7日月曜日

人間国宝 羽田登喜男作品展

生誕100年を迎える加賀・京友禅の染色家、人間国宝の故羽田登喜男作品展が開館2周年記念して上京区の中信美術館で開催されている。開館2周年記念して「人間国宝」故・羽田登喜男作品展が展示している 中信美術館は京都府庁正門西約100mにある
中信美術館には地下鉄南北線、丸太町駅下車、徒歩で10分京都府庁を目印に行くのが良く、市バスなら堀川下立売下車2分で北側にある。石川県金沢市の生まれで加賀と京友禅を学んだ
瑞色含春(ずいしょくはるをふくむ)と鴛鴦(おしどり)1911(明治44)年、羽田登喜男さんは石川県金沢市の造園師の家に生まれた。
1925(大正14)年金沢市にて「南野耕月」師に入門し加賀友禅を学んだ。その後、1931(昭和6)年京都にて“曲子光峰”師に入門をして京友禅を学び、加賀友禅と京友禅の技法を習得した。文様の構想練る
糊おき1937(昭和12)年、京友禅の修業を経て独立、加賀友禅と京友禅の二つの伝統美を融合させた独自の境地を開拓し工房を構えた。羽田さんは竜安寺好きでいった
何十冊もあり、いつも初心忘るべからず羽田さんは、写実的な絵模様の加賀友禅と華麗でみやびな意匠の京友禅を融合させ、花鳥風月を題材に手描き友禅に独自の境地を開いた。特に鴛鴦(おしどり)の文様は独特のデザインで人気が高い。竜安寺の石庭1985年「薄明」
京都の庭園や自然を愛した羽田さん、野の草花を眺めながら、その豪華な文様のデザインが特徴的である。
京都・二条城を訪れたダイアナ妃、羽田さんが3ヶ月かけて制作した1986(昭和61)年5月に初来日した英国王室ダイアナ皇太子妃に京都府・市より贈られた手描友禅本振袖を制作した。
1988(昭和63)年に「人間国宝」と呼ばれる重要無形文化財「友禅」保持者に認定された。1982年から三年間蟷螂山の懸装品を無償で制作した
1958年訪問着「匂ふ」また祇園祭の山鉾(やまほこ)の一つで、四条西洞院に“カマキリ山”がある。この蟷螂(とうろう)山の懸装品も無償で制作した。国内外の展覧会で活躍した後、2007(平成19)年、高齢になり制作活動を引退し後進に道を譲ったが2008(平成20)年2月10日肺血症でこの世を去った。(享年97歳)
日本伝統工芸展審査委員や日本工芸会理事など中信美術館を運営する中信美術奨励基金(下京区)の評議員を約20年間務めたことから、同基金が回顧展を企画したのである。
着物以外にも祇園祭の懸装品などみれる会場には、花鳥風月を題材にした訪問着のほか、羽田芸術の真骨頂ともいえる祇園祭・蟷螂山の懸装品など16点を展示していて、きもの以外の作品をみられる珍しい機会と無料とが重なりうれしい!
加賀友禅と京友禅を融合した、友禅師、人間国宝・羽田登喜男の華麗な美の世界に来訪者は見入っていた。

<中信美術館>
場   所:京都市上京区下立売油小路東入西大路町136-3
日   時:2月18日(金)~3月20日(日)
開館時間:午前10:00~午後17:00
入場無料:注・入場券は京都中央信用金庫本支店窓口にある。
       郵送をご希望の方は広報部まで。
休 館 日 :月曜日
交   通:地下鉄 丸太田町下車徒歩10分
       市バス 堀川下立売下車2分

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