つづく・・・城南宮は国土の安泰と都の守護を願い、遷都の際に平安城の南に祀られた神社である。ご神紋は神功皇后の旗印にちなむ「三光の紋」で‘太陽と月と星’を組み合わせた極めて珍しい形になっている。行き先を教え導き、昼夜の隔てなく広大なご神徳を表しておる。
3月頃に満開を迎える約150本の枝垂れ梅が見事で、椿と共に神苑の春の山を彩っている。城南宮には源氏物語の花の庭を再現したという美しい神苑があり、楽水苑に入ると左右に色々な種類の椿が美しく咲いている。
まず眼に飛び込んだ有楽(太郎冠者)の椿の花は、紫を帯びた桃色の花で筒咲きで12月から3月にかけて咲く品種、さらに真紅の日光(じっこう)は別名「紅唐子(べにからこ)」、小輪だが3月から4月にかけて咲く紅色紅唐子咲きは特に美しい、また2月から4月まで咲くという藪椿は、白色で一重で平開の花、Kさんとご一緒に城南宮の枝垂れ梅を観に来たが、椿を観ていて大勢の混雑にまぎれた・・・
次に飛び込んできたのは伊予大輪、椿は桃紅色で八重咲きで3月~4月が見ごろ、これじゃ先には進めない・・・紅色の猪口(ちょこ)咲きの紅侘助(べにわびすけ)は2月~3月、初嵐は白色で一重筒咲きという。春の山の枝垂れ梅も終わりのころ、濃い赤の筒咲きの“城南椿”の出番でむかえる。城南椿は小輪だが2月から4月、上品な面持ちを抱かせた。まだまだある、加茂本阿弥(かものほんあみ)は白色一重で椀咲き2月~3月、白乙女、椿と言うよりバラのような感じがした。
最後は蝦夷錦で三年ぶりで観る満開の枝垂れ梅もよかったが、木陰にひっそりと咲く椿もよく、四季折々に様々な花が人々を楽しませるこの地は、鴨川と桂川に近く、水辺の景色が広がる風光明媚なところとして知られている。有名な「曲水の宴(きょくすいのうたげ)」は、春は4月29日と秋は11月3日に開催される。
4月上旬には「室町・桃山の庭」の“しだれ桜”が咲き、お花見には最適である。京都伏見の城南宮の枝垂れ梅と椿をそぞろ歩きを楽しみながら平安の昔に思いをはせた。(完)
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