戦国の時代、足軽から天下人へと大出世した豊臣秀吉ゆかりの神社である。
関白太政大臣の位に就いた秀吉は1587年(天正15)に聚楽第を造営する際、信仰していた稲荷社を勧請し建立した。翌年、後陽成天皇も参拝し、この神社に「出世」の称号を与えた。
出世稲荷は縁起の良い名前として公家や諸大名の開運出世祈願の社として大いに栄えたが、1663年(寛文3)聚楽第取り壊し機に現在の地に社を移した。
江戸時代中期には秀吉の出世にあやかろと鳥居の寄進の数も329本に達したと言われておる。今はわずか5本と昔より減少した、鳥居をくぐり本殿に向かった。本殿前の霊狐石像は金網が囲まれ、その金網にはおみくじがたくさん結びつけられている。子どもの時から熱心に稲荷信仰していた秀吉が、天下統一できたのは信仰のお陰の所以?であるというが、皆肖りたい一心でおみくじが 結ばれているのだろうとおもった。
本殿・正面で参詣後、本殿を一周する形で周囲の摂末社に参った。勝負運の神様で「三石大神」福石、禄石、寿石の3つの石が御神体「勝石」、「取り石」、「打ち出し石」などと呼んだという。まったく知らなかった。また本殿には6代目清水六兵衛作の神像や堂本印象の「登り竜」天井図もあるという。また東の鳥居には“尾上松之助”寄進の名もあった。新門辰五郎寄進の狛犬も境内にある。
境内には、秀吉と北の政所をお祀りした「豊の社」もあり、かなり古そうな狛犬が並んでいる。北東には水難・火難 病難・盗難除けの「水天宮」神社があった。
出世稲荷神社の十種の御神徳が挙げられている。
1.開運出世の福 2.立身出世の福 3.地位名望の福 4.商売繁昌の福 5.金銀財宝の福 6.千客萬来の福 7.生業大繁栄の福 8.善知識の福 9.延命長寿の福 10.病気平癒の福
社務所にはご利益がある愛らしい形をした「土鈴の出世鈴(600円)」が人気を呼んでいる。また節分(2/3)の日にだけ授与される厄除け開運『魔除けのヒイラギを挟んだ竹をつけた“出世鈴”』のお守りがある。
出世稲荷神社は、千本二条東側にある現在は小さな社だが、秀吉の強い信念と情熱を支え成就した中身の濃いお稲荷さんであった。
<出世稲荷神社>
住所:京都府京都市上京区千本通旧二条下ル聚楽町
電話:075-841-1465
拝観:自由
料金:無料
交通:市バス「出世稲荷前」下車
JR二条駅から徒歩5分
または地下鉄東西線二条駅徒歩5分
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