蓮華寺は、白川通の北、花園橋を渡って大原に向かう途中にあって、かつての鯖街道(現・国道367号線)高野川沿いの左手にある。
都心から離れた場所で比較的観光客が少ないのでゆっくりと紅葉を観賞できる。
4日、日曜日とあって大原行きの京都バスは超満員であった!
蓮華寺は、元西八条塩小路付近に(現在の京都駅)あった浄土教系の古寺で、応仁の乱後荒廃していたのを江戸時代初期、1662(寛文2)年、加賀前田家の老臣・今枝近義が祖父重直の菩提のために、この地に移し再興したものである。
山号は帰命山(きみょうざん)といい、天台宗の寺院である。
蓮華寺の再興の際に、詩仙堂を造営した石川丈山や木下順庵、狩野派画家の狩野探幽、黄檗宗の開祖である隠元禅師や木庵禅師ら当時の著名文化人が協力したことが残されている。山門は小さく質素な門構えながら趣はやはり京の都の佇まい・・・創建当時の山門が今日も残されている。
山門をくぐると庭はイチョウの落葉と紅葉に織りなす光景が美しい。
昨年に続いて2回目の参拝で受付の僧は障害者手帳を見て無料にしてくれた。
イチョウの落葉と書院での池に映えるモミジの光景が忘れ難く、洛西から不便だがバスを乗り継ぎしてきた。
右には鐘楼があり桧皮葺・宝形の屋根と格子状の側面をもって、釣鐘には「黄檗二世木庵?山僧」の銘が刻印され、宇治萬福寺と同じ形式である。
左手には約300体といわれる石仏群が並んでいる。市電河原町線の敷設工事に際して発掘されたもので、周辺は戦災や天災による死者や受刑者の屍があった処という。これらの石仏群は大日如来像や地蔵菩薩像が供養している。
山門から庫裏まで延びる石畳の参道が目に入ってきて右手に土蔵(非公開)があり、明治時代の初期まで寺子屋の教場として使われていた形跡が残されているという。蓮華寺は黄檗宗の様式の建築と江戸初期の池泉鑑賞式庭園は書院の東側から、清流を導いた奥行きのある作りになっているが「座視鑑賞式庭園」で座った目線に合わせた作庭だという。
書院から右手に見えるのが本堂で、正面は書院から見て裏側になり入り口には石川丈山の筆による寺額が掲げられている。本尊、釈迦如来像が安置され、左側には阿弥陀如来像(鎌倉時代の作)が安置されている。右側にも秘仏として不動明王が安置されている。天井には、狩野探幽が描いたとされる龍の図があったが、明治期に失われ、1978(昭和53)年に仏師の西村公朝によって復元されたものである。
本堂前には珍しい、“六角形急勾配の笠”をつけた蓮華寺型石灯籠があり、茶人の間で有名という。苔むした庭園と楓の木々が幾重にも覆う様子は美しく、蓮華寺は紅葉のころが最も素晴らしい光景である。
<洛北 蓮華寺>
住 所:京都市左京区上高野八幡町1
電 話:075-781-3494(電話連絡謝絶)
拝観時間:9:00~17:00
拝観料金:大人・高校400円 ・障害者 無料
交 通:叡山電鉄本線三宅八幡駅から徒歩約10分
京都バス「上橋」下車徒歩約1分
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