晩秋を迎えた京都府南部、木津川市加茂エリアで11月27日(日)、第5回「ふるさと再発見めぐり」が開催された。この催しは、ブログ仲間の一人が既に申し込んでおられ、加茂町と云えば行く機会も無く快く誘いを受けた。
JR京都駅を8:03発普通奈良行乗車、木津川駅を経由し9:30ごろJR加茂駅東口に到着した。
薄曇りで肌寒く感じるが集合時間は9:35、木津川市のチャーターバスが待機していた。バスは18人の参加の人たちを乗せて細い登り坂の道を幾ども曲がりながら岩船寺へ向った。
岩船寺は聖武天皇の勅願と伝える天平の古刹で、創建は729(天平元)年、行基が阿弥陀堂を建てたのが始まりと伝わる。真言律宗の寺院で山号は高雄山(こうゆうざん)で本堂は1987(昭和62)年の再建である。
本尊は平安期の阿弥陀如来坐像「高さ2.8m (重文)」の大きな螺髪を付けた丈六の巨像で、946 (天慶9) 年に造立された。その周囲に四天王像が安置されている。
最盛時には三十九もの坊があったとされ栄えていたが、鎌倉時代に起きた戦火(承久の乱)により殆ど焼失したといわれている。その後、再興されたが江戸時代初期から衰退し現在に至っている。
山門左側には、寺号の由来となったと伝える、僧が身を清めた「石風呂」が置かれている。
左手に五輪石塔(重文)、その手前の祠には花崗岩に彫刻された厄除地蔵菩薩、その右手に石室があり中に花崗岩に彫刻された不動明王がある。この不動明王立像は、塔頭湯屋坊の僧が眼病を患い不動明王に平瘉を願ったところ完治、自ら不動明王を彫刻し安置し、眼病に悩む人々にご利益があるという。
また、鎌倉時代末期の1314 (正和3)年、十三個の笠石を積み重ねた高さ6.2m、基壇から相輪まで完全に残る珍しいもので妙空僧正の造立と伝える十三重石塔(重文)が見られる。
本堂の左横が阿字池で、高台に朱色も艶やかな三重塔が見える。三重塔は、仁明天皇が智泉大徳の遺徳を偲んで入滅十年を過ぎた承和年間(834~847)に宝塔を建立されたのが始まりだという(同寺縁起書)。その後、室町時代に再建された三重塔は、再建時の様式を良く残す建造物として、国指定の重文なっている。なお2003 (平成15) 年に大修理が行われた。塔の一層部の扉は通常閉じられているが、内部来迎壁には極彩色で描かれている仏画を特別公開することができる。ひなびた山寺の中にあるとは思えない、雰囲気のある三重塔である。岩船寺は江戸時代には奈良の興福寺の末寺であった。
いまアジサイの名所と知られ関西花の寺25番霊場・第15番札所となっている。また吊り店は、地元で採れた野菜などを漬物や干し柿等、吊って無人販売している。つづく・・・
<岩船寺>
住 所:京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43 電話:0774-76-3390
拝観時間:8:30~17:00(冬期12月~2月は9:00~16:00)
拝観料金:大人200円
交 通:JR関西本線「加茂駅」からNCバスにて
◎「加茂山の家」行き約15分「岩船寺」下車すぐ
駐 車 場:有り(有料)
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