1日、上京区北野天満宮一帯で「ずいき祭」が始まり、“収穫を感謝”する秋祭である。初日は午後1時から神幸祭が営まれ五穀豊穣を願って、豪華絢爛の鳳輦(ほうれん)や鉾などの行列一行が氏子地域を練り歩いた。
古風な衣装を身にまとった氏子150人の行列が天満宮を出発し、約1・5km先の御旅所まで3時間かけて練り歩き、ずいき神輿の出迎えを受け、辺りは華やかな雰囲気に包まれた。
神幸祭は午後1時、獅子、太鼓、御榊に続いて巡行路を案内する猿田彦大神が乗る「導山(みちびきやま)」の天狗、本殿前の左近の梅・右近の松にちなんだ「梅鉾」と「松鉾」が行列をした。
錦蓋・管蓋の後に可愛い八乙女の行列が続いた。
輦(れん)は神事などで行幸される神霊や天皇の乗り物のことで、第一鳳輦(ほうれん)には主祭神・菅原道真、鳳輦には屋形の上に鳳凰、第二鳳輦、葱華輦(そうかれん)には道真の嫡男、葱の花の飾りがある、第三鳳輦には奥方が載っている。
行列一行は15時30分ごろに上ノ下立売通西大路西入るにある御旅所に到着した。
三基の神輿が無事に御旅所に安置された後に着御祭が行われ、行列に参加した稚児による「八乙女・鈴舞」「八乙女・田舞」が奉納された。
御旅所に飾られるずいき祭と呼ばれる所以は、平安期より西之京神人が、五穀豊穣を感謝しその礼として、重陽の節句に新穀・野菜・果物などに草花を飾り付け、道真公の神前にお供えしたのが祭の始まりと云われている。
神輿の四面には、「魚すくい」や「イカ」など、「かちかち山」と「弁慶」、「富獄三十六景」「ハリネズミ」と「白蛇」などの造り物が取付けられている。
四隅の瓔珞(ようらく)は、白ゴマ・九条ネギの種・水菜の種・赤茄子・柚子・五色唐辛子などで埋め尽くしている。瑞饋神輿は京都市の無形民俗文化財に指定されている。
三基の御神輿は氏子市中を巡行した後に北野神社御旅所に入った。
御旅所境内と参道には多くの縁日出店が立ち並び、大勢の参拝者で秋祭りの賑わいとなっている。
祭は、10月1日に神幸祭の行列が北野天満宮より御旅所に渡御、4日に御旅所から北野天満宮への還幸祭が行われる。
<北野天満宮 ずいき祭>
住 所:京都市上京区馬喰町北野天満宮社務所
電 話:075-461-0005
北野神社御旅所/御輿岡神社
住 所:京都市中京区西大路通上ノ下立売西入ル西ノ京御輿岡町
拝 観:拝観自由
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