2010年3月20日土曜日

名勝:小野梅園 隋心院

つづき・・・名勝、小野梅園入口
総門
隋心院(ずいしんいん)は、京都山科小野にある真言宗大本山の寺院で、小野小町ゆかりの寺としても知られる。総門をくぐると右手に小野梅園がある。
小野梅園には約230本の梅の木があるという。 梅木の苔もよい
可愛い梅が咲いていた春、梅園では「はねず梅」と呼ばれる薄紅色の遅咲きの梅の花が咲くという。
山紅梅、白梅、薄紅梅など咲き始め3月上・中旬が見ごろとなり観梅に行ってみた。もっとも多い薄紅梅の色である薄紅梅色を「はねずいろ」ということから「はねずの梅」とも呼ばれているのだそうだ。唐棣(はねず)色の梅
白梅ところで、あまり聞きなれない「はねず(薄紅色のこと)」だが、中国から伝わった色で「唐棣(はねず)」と書き、昔から随心院の梅は「唐棣の梅」といわれ親しまれている。
この付近は、小野氏の領地であった所であり小町の居住跡と伝わる。容姿端麗で和歌に優れた才能を発揮していたという小野小町は、良実の娘で宮中の後宮に仕えていたが、“小町のもとへ深草少将が百日通った”という伝説の舞台があった。 紅梅とつぼみ
八重の梅花小野小町に想いを寄せていた少将が「私のもとに百夜通い続けることが出来たら想いを遂げさせてあげましょう」と小町に云われ、印として門前の榧(カヤ)の実を採って渡した。深草から小野まで毎夜通い続けた。
しかし、通い続けて九十九夜、その日は雪、門前にたどり着いた少将は疲労が重なり九十九個目のカヤの実を手に倒れたという。小倉百人一首第九番、小野小町歌碑
八重の梅花境内東側には深草少将をはじめ多くの男性から小町へ寄せられた文塚がある。
少将が亡くなったことを知った小町は、庭に植えたもので1本の榧の木がある。かつては九十九本あったという。積もる思いを胸に秘め訪ねてきた少将に、小町のこころはあまりにも冷たく感じられた。
また、小町に寄せられた文を下張りにして造られたという「文張り地蔵菩薩像」と卒塔婆小町坐像(小町の晩年の姿を写したという)が表書院との部屋に安置されている。小町が朝夕の化粧で使った「化粧の井戸」の遺跡もある。小町が朝夕の化粧で使った「化粧の井戸」
山々を背景に咲く梅の花なお、随心院の祭事で有名な「はねず踊り」は、小野小町を忍んで小町と深草少将の百夜通いをもとにした”踊り”は毎年3月の最終・日曜に催される。
随心院の梅花は、薄紅色の花びらで「はねず色」の遅咲きで知られ違った趣がある。4月中旬には石楠花(しゃくなげ)、霧島躑躅(キリシマツツジ)など四季を通じて花が楽しめる。(完)
<随心院&小野梅園>
住所:京都市山科区小野御霊町35
電話:TEL 075-571-0025
拝観:9:00~16:30
本坊:庭園400円 ・障害者350円・石楠花(4月中旬が見ごろ)
   なお障害者車いすは不可
梅園:400円(3月1日~3月31日)・障害者350円こちらは障害者車いすは可
交通:市バス東9で小野下車、5分
地下鉄東西線小野駅下車、徒歩約5分。
駐車場:無料

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