2010年6月29日火曜日

柳谷観音 楊谷寺

京都府長岡京市浄土谷の柳谷(やなぎだに)観音・楊谷(ようこく)寺は、6月26日と27日「第10回あじさいまつり」が開かれた。本堂には本尊の十一面千手千眼観世音菩薩像が安置してある
柳谷観音は立願山楊谷寺といって西山浄土宗光明寺に属する午前9:30長岡京市文化センター前から、臨時シャトルバス“あじさい号”が順次発車された。関係者は昨日は雨天で人出は少なったが、今日は晴れ間の好い天気になったとご満悦だった。シャトルバスは積み残しが出来るほどで、定刻より早く満員で出発、柳谷観音楊谷寺は始めてのお参りだった。
バスは竹が美しい長岡京の郊外、府道“伏見柳谷高槻線”を西へ向かい、山間部へ入り細くなったくねくね曲がった上り坂道、離合不可能な峠を越えて2キロほど進むとやがて少し山が開け約30分で着いた。鐘楼は誰でも撞くことができる、但し一回50円
楊の木茂る谷間に「十一面千手千眼観世音」が出現し、開創の始まりと伝えられる楊谷寺は西山(せいざん)浄土宗光明寺の末寺で、寺伝によると806(大同元)年、洛東清水寺の開祖である延鎮(えんちん)が霊夢のお告げに従いこの地を尋ねたときに、楊の樹茂る谷間に「十一面千手千眼観世音」が出現したという。延鎮はそれに感動し草庵を建て観音像を安置し開創したのが始まりとされる。伝えによると、空海もこの地で修行したといわれ、延鎮を第一世、空海を第二世としている。石垣の中にも不動明王!
眼病平癒の霊水「独鈷水」がある811(弘仁2)年、弘法大師がこの寺を参詣されたとき、岩屋から滴り降りる清水で、子ザルの目を洗う母ザルの姿を見て、ケモノにも霊験のある水ならば、人間にも効くのではと17日間の熱心な加持祈祷を続け独鈷(おこう)で清水をかき回し祈ったという。
その清水は「柳谷の独鈷(おこう)水」と呼ばれ、境内にある岩穴から噴出、湧き出る清水は空海の不思議な現象により、眼病平癒の霊水(独鈷水)になり眼を病む人々から広く信仰され、柳谷の独鈷水として全国に知られている。奥の院は洛西観音霊場になっている
本堂の裏手に眼力稲荷がある本堂の裏手を少し上ると、「眼力稲荷」という堂于がある。
本堂には本尊十一面千手千眼観世音菩薩像が安置してあり、また、本尊を収めた厨子は淀君寄進のもので桃山時代の豪華絢爛たるものである。寺宝に中御門天皇の寄付の鏡がある。なお1614(慶長19)年、志筌(しせん)禅師は七間四面の本堂を建立したと伝わる。
現在、本堂や庫裏・表門は1688~1703(元禄年間)年頃の修復によるものだが、京都府の登録文化財になっている。また、書院の横にある庭園は府の指定名勝となり、境内にある奥の院は昭和初期の再興で洛西観音霊場第10番札所もなっている。庭園は京都府の指定名勝となっている
書院と庭園眼病に効く霊水として毎月17日の縁日には、多くの参拝者で賑わっている。
阿弥陀堂前の奉納額より   
 みほとけに やなきの谷水を くむにをいせぬ くすりなりけ里
うららかや やなきもかぜに なびかれて ほとけのみつけ うつるたに水
つづく・・・明日は柳谷観音「あじさいまつり」

0 件のコメント: