6日、京都祇園、白川の巽橋で第26回の祇園放生会が行われた。
放生会は人間の食膳をともにする生き物の恵みに感謝し、魚や鳥などを池や野に放って供養する行事である。仏教にいう放生は、この世に生を受けた生きとし生ける一切の衆生は、全て輪廻する己自身の姿であり、我が父母兄弟であるが故に、“殺生を禁じ放生せよ”という教えに基づいている。
11時から始まった放生会は、煎茶の接待や巽橋北側にある辰巳大明神の前で組まれた特設ステージでのジャズや尺八の奉納演奏がされた。
引き続き「放生会」について比叡山、慈光院・栢木寛照住職の法話があった。
おわると辰巳大明神の前の祭壇で比叡山大行満大阿闍梨、光永圓導師が読経をいたし奉修が営まれた。
12時半過ぎ、大阿闍梨・回峰行者と舞妓さん、一般市民が手桶に稚魚を10~20匹ほど入れ巽橋から白川に約2000匹が次々に放流された。本来は鯉の放流だったが1993(平成5)年から稚魚に変わったという。
供養が終わると比叡山の大阿闍梨一行は立ち去られるが、大阿闍梨のカメラ撮影は禁止されている。また、各地で多くの放生会が行われているが、比叡山の大阿闍梨が下山されて奉修をされるのは祇園放生会だけだという。
京都の観光スポットとして有名な祇園白川、普段でも観光客で賑わう場所、この祇園の地を末永く魚鳥類と人間が憩う共生、実践の場とし、慈悲と功徳を願う法会に舞妓さんも放生会に手を合わせていた。
今年の放生会は天候も好く例年より物見遊山に集まった人も多く、舞妓さんの記念撮影会や観光客・写真愛好家で一時は身動きが取れないほどの大混雑になった。
京都祇園の風情ある白川・巽橋周辺の佇まいに、朝から大勢の人々が集まり大変な賑わいだった。
<祇園放生会>
ところ:祇園白川巽橋・辰巳大明神前
(東山区花見小路通新橋西入ル)
とき:6月6日(日)午前11時~
交通:京阪電車「四条」駅下車徒歩5分
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