京都、東山祇園にある臨済宗大本山建仁寺塔頭、両足院は非公開の寺院だが、いま、半夏生(はんげしょう)の見ごろを迎えている。
両足院は白砂と青松が迎える「唐門前庭」が美しく、桃山時代の枯山水庭園の方丈前庭には緑の苔が鮮やかである。書院前庭は京都府指定名勝庭園の池泉廻遊式庭園で、初夏、池辺を彩る半夏生が見ごろ迎える景色は素晴らしい。
書院の前庭に半夏生(半化粧)が群生しており、緑豊かな庭園に白く化粧をほどこす様子から、両足院は「半夏生の寺」とも呼ばれている。
半夏生は二十四節気・雑節の一つで半夏(烏柄杓)という薬草が生えるころ(ハンゲショウ(カタシログサ)という草の葉が名前の通り半分白くなって化粧しているようになるところからいう。葉は長卵形で互生し6、7月ごろ、上部の葉が数枚白くなり、名を半化粧ともいう。これと向かい合って花穂を出し、白い小花が咲きはじめるが、花が地味なので虫や蝶など、昆虫を惹きるためというが、定かではない。
ドクダミ科の多年草で水辺に生え、高さ約80cmくらいになる。
池の北側には2つの国宝・茶室がある。
織田信長の弟で、織田有楽斎好みの如庵の写し「水月亭(2畳半台目、暦の席)」その右には“大村梅軒”好みの六帖席の「臨池亭」が並ぶ。臨地亭ではお抹茶の(別途500円)接待もされている。
なお両足院は、650年前に建仁寺第35世龍山徳見禅師(1285~1358)を開山として創建された。建仁寺の塔頭寺院で方丈、並びに書院は、江戸・嘉永年間に再建されたものが現存している。本尊は「阿弥陀如来立像」、境内北側に当院鎮守の「毘沙門天立像」を祀っている。
また龍山和尚に帰依した林浄因は、元(中国)の出身で詩人だが、日本で始めて饅頭を作った人物で「饅頭始祖の寺」として知られている。
建仁寺塔頭・両足院では、半夏生は夏至から11日目の「半夏生」に花を咲かせることからとも、葉の表面だけが白く変化するともいわれ、訪れた市民や観光客は池辺の半夏生を観賞し梅雨の風情を楽しんでいた。
「半夏生の庭園特別公開」
会 場:建仁寺塔頭・両足院
場 所:京都市東山区花見小路通四条下 建仁寺山内
日 程:6月11日(金)~7月11日(日)
受付時間:午前10:00~午後16:30
拝観料金:大人600円 中高生300円 小学生 無料
団体割引有 障害者無料
お問合せ:075-561-3216
交 通:阪急河原町駅下車徒歩10分
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