京都洛南深草の里に学問・勝運と馬で知られている藤森神社がある。
平安遷都以前から祀られている古社で、古く朝廷から庶民までの崇敬厚く歴史ある神社である。1711(正徳元)年の銘がある「石造鳥居」が南参道前にある。後水尾天皇の御宸筆で“藤森大明神”の額が掲げてあったのだが残念なことに現在はない!
江戸時代、前の道が西国大名の参勤交代の道筋で大名行列が神社を通過する度、大名は駕籠から降り、騎乗の者は下馬し、槍を持つ者は槍の穂先を下げ、礼拝して通行したという。しかし、幕末の動乱の時代になり、このような悠長なことでは時代に即しないと新撰組の近藤勇が額を外し、持ち去ったと云われているがその後、不明である。
6月梅雨のころ、境内では紫陽花(あじさい)の花で埋めつくされている。
神社の宮司に聞くと約20年前、境内の笹を伐採しアジサイを植えたという。
アジサイの木は背丈を越える大きさに成長し、色鮮やかな花を咲かせ、参拝者に心のなごみを与えている。
紫陽花は色が変化することから「七変化」の名もあり延べ1,500坪のあじさい苑内に公開され、第一・第二合わせて苑内は人一人分ほどの通路を回遊する形式で、およそ3,500株が植えられていて目を楽しませてくれる。
藤森神社は別名「紫陽花の宮」と呼ばれ、境内2ヵ所に分れていて、おたふくやアナベル、スカイレットなど、約40品種3,500株が植えられている。
紫陽花祭では献花や献茶・神楽の奉納もされる。また本祭と前後する土・日曜日、山城雅楽や日舞など、さまざまな奉納行事もあり賑やかだった。
催しを楽しみつつ、紫陽花苑でアジサイを愛でた。
梅雨の中休み、境内を吹きぬける風は生温く暑さを感じたが、雨上がり光り輝く美しい紫陽花の花は力強く咲き誇っていた。
<紫陽花苑の公開>
藤森神社境内 あじさい苑
住 所:京都市伏見区深草島居埼町609 電話:075-641-1045
開苑期間:6月上旬~7月上旬
開苑時間:9:00~16:00
入苑料:300円 ※障害者 無料
駐車場:無料
交 通:京阪電車「墨染駅」下車徒歩約7分
JR奈良線「JR藤森」下車5分
市バス 南臨5番藤森神社前下車
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