2018年12月2日日曜日

小倉山 常寂光寺の紅葉

29日、小倉山の中腹にある常寂光寺は、『百人一首』で知られる藤原定家の山荘で、時雨亭があったところと伝えられている。
京都屈指の紅葉の名所でもあり、黒い異様な山門をくぐると、正面に茅葺きの仁王門がある。
本堂に上る階段は手摺りはなく、今回は側道をゆっくりと注意して一歩一歩進んだ。
途中、振り向くと紅葉のトンネルが傘を差し、茅葺きの仁王門とマッチして綺麗だった。
慶長元年(1596)、日蓮宗大本山本圀寺16世の日禎(にっしん)上人が隠棲した庵を寺に改めた。
開山は究竟(くきょう)院日禎上人で、秀吉の東山大仏の開眼千僧供養への出仕(しゅつし)を拒否、この地に隠居して常寂光寺を開祖した。
小倉山中は、物静かな場所で“常寂光土の地”にあり「常寂光寺」という名を付けられた。
中腹には本堂、妙見堂、多宝塔が並んでいる。
多宝塔の(重文)は高さ12m、元和6年(1620)の建立、並尊閣(へいそんかく)といい、前面に霊元天皇の勅額が掲げられている。
その美しさは、滋賀、石山寺の多宝塔と日本一を競うといわれる。
時雨亭跡の碑や歌仙祀もあり、藤原定家の木像を奉る祠もある。
また日禎上人を祀る開山堂や隠棲の地を提供した角倉了以の墓所もある。
上人は歌人でもあり、平安時代の歌人藤原定家に憧れと尊敬を持ち、この場所を隠居の地と定め、お寺を建立した。
常寂光寺は、本堂は豊臣秀吉の居城であり伏見桃山城の遺構で、ご本尊は十界大曼茶羅、嵯峨野にある小さなお寺である。
小倉山、常寂光寺から見る眺望は美しい紅葉で常寂光土に遊ぶような風情があった。(11/29撮影)

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