20日、伏見区城南宮で恒例の「湯立神楽」が午後2時から執り行なわれた。
湯立神楽は、巫女が笹で煮えたぎる大釜の湯を振り散らすことによって邪気を祓い招福無病息災・願望成就を祈願し、一年の無事に過せるよう神事が営まれた。
湯立神楽は、日本伝統的な神楽(かぐら)の形式のひとつで、神社によってかなり違いがあるがいまも各地方で営まれている。
もくもくと湯煙を立てる大釜の湯を、笹の葉で勢いよく散らして邪気を払っていた。
城南宮の湯立神楽は大釜に湯を沸かし、米・酒・塩を入れ、豪快に笹でかき混ぜながら勢いよく湯をふりまく神事で、湯がかかると無病息災・願望成就のご利益があると言われている。
神事の儀式は、三部構成になっており、最初は神主が本殿に礼拝し、参拝者も何度も深々と礼拝した。拝殿には4人の巫女や雅楽よる舞の奉納「祓神楽」が行われた。
その後、襷掛けの巫女が、儀式に則って「湯立神楽」を執り行った。
「杓取(ししゃく)の儀」といって、柄杓で天の水を掬って大釜の湯に注ぎいれる所作をし、塩を撒いて釜を清め、沸き立つ湯に選米と神酒を入れる。次いで笛・太鼓の雅楽にあわせて神憑り(神霊が人に乗り移ること)のように巫女が御幣を手にして舞った。
いよいよクライマックス、巫女が両手に笹の束を持ち、何回も笹の葉で勢いよく大釜の湯を散らした。
参拝者は頭をさげて白い湯気としぶきを浴びて新年の無事を願っていた。
また湯にかからなかった参拝者は、大釜の湯煙を足腰や、肩、頭などに撫で付けたりしていた。
参列は自由で、特に関西地方の民間の神楽で湯による禊祓(みそぎはらえ)の儀式で、この湯滴を浴びると悪病退散、願望成就、無病息災で過ごすことができると古くから伝わる湯立神楽の伝統行事という。
この福笹を家庭に持ち帰れば幸運に恵まれ、「方災難除守」・「招福・無病息災」と記した短冊を結んで参拝客「福笹(有料)」に授与された。
伏見・城南宮の湯立神楽は1979(昭和54)年に再開したもので、大阪吹田市や高槻市からなども見えられていた。(1/20撮影)
<城南宮・湯立神楽>
場所:城南宮 本殿前 電話:075-623-0846
時間:午後2:00~
料金:拝観・無料
交通:地下鉄・近鉄「竹田」駅下車、徒歩約15分
市バス「城南宮東口」下車
駐車場:無料
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