2010年7月13日火曜日

祇園祭 鉾建て

11日、月鉾が立ち上がるつづく・・・10日、四条通りや室町通りでは、鉾を組み建てる“鉾建て”がいっせいに始まった。動く美術館とも呼ばれる祇園祭、山鉾巡行を1週間後に控え、市内の四条通り各山鉾町では鉾の建て込みが始まった。月鉾は皆、法被を着ている
伝統式による鉾建てこの日は梅雨の晴れ間が広がり、青空の下、大工方・組み立て方と呼ばれる職人が釘を一本も使わず、わらの縄で木材を固定する「縄絡み」という伝統技法で組み立てていく。 櫓を横倒して諸々の飾りを付ける
10日はわらの縄で木材を固定する「縄絡み」長刀鉾をはじめ、函谷(かんこ)鉾、鶏鉾、菊水鉾、月鉾の五基の鉾建てが行われた。
これに先立ち、2日には「くじ取式」が行われ、山鉾巡行の順番も決った。
しかしお稚児さんを乗せ先頭を走る長刀鉾は、1500(明応9)年頃から既に定まっていたという。長刀鉾の名は、天を突くようにかざす鉾先の大長刀に由来する。現在は竹製だが、元は平安時代の刀工・三条小鍛治宗近作の大長刀を飾った。ちなみにお稚児さんが乗るのは、今ではこの長刀鉾だけで巡行開始の合図となる「しめ縄切り」を行うのは真剣・大長刀である。織田信長が左手で書いたと伝わる長刀鉾の紋・「長」の字も使われている!
八坂神社で五位十万石の位を授けられ、32の山鉾の中でも特別な地位にあり、 “くじ取らずの鉾”で、毎年巡行の先頭を行くことが許されている。櫓に、役目を果たす「てこ」
木材は檜だが必要な部分は樫(かし)が使われる鉾建ては櫓を(胴組み)組み、木材は檜で特に強度が必要な部分は樫(かし)が使われる。釘は使用せず”縄がらみ”と云われる手法で組み上げるが、荒縄は5000mも使用する。荒縄は巡行後の畑の肥料に転用されるという。
次いで、11日には櫓にこの役目を果たす「てこ」を取り付けてから横倒しにする。榊に御幣をつける
わらを曲げる方たち横倒しになった胴組みに空高くそびえる真木(しんぎ)を取り付け、さらに真木には鉾頭、榊(さかき)などの飾り付けが行われ、雨天の最中傘を差し、神事が執り行なわれ四条通りの通行の人々や愛好写真家が見守るなか、徐々に月鉾は天高く聳え立った。真っ直ぐ伸びた月鉾、誰からともなく拍手喝采が起った!月鉾、鉾頭
飾りつけいよいよ12日は完成した鉾の曳き初めを迎え祇園囃子が一段と響き渡る。
函谷鉾はクレン車での鉾建てだが、伝統の儀式による月鉾の鉾あげは見事で感無量だった。
沿道から多くの通行人が見守り、京都に住んでいても見ることも無い鉾建て、見ず知らずの方が「鉾の組み立て、ここから大きな鉾になるんですね。山鉾巡行が楽しみです」と呟いていた。
ビルの高さと同じくらいある固唾を呑んで鉾が立ち上がるのを見る!14日には、祇園祭の32基すべての山鉾が揃い、祭ムードが一気に高まって来る。
今年も一年ぶりに無事巡行を迎えられることが、各山鉾町内の何よりの喜びとなりコンチキチンの祇園囃子が鳴り響いていた。

0 件のコメント: