続く・・・西明寺から比較的車の交通量が多いR162号線に出てなだらかな道を行くと清滝川に架かる白雲橋、左側に高山寺入口が見えた。
高山寺のある栂尾は、紅葉の名所として知られる高雄、神護寺・槙尾、西明寺からさらに奥に入った北のはずれにあり、古代より山岳修行の適地として小寺院が営まれたようである。
774(宝亀5)年、光仁天皇の勅願によって開創され、神願寺都賀尾坊といったが814(弘仁5)年、嵯峨天皇のとき栂尾十無尽院と改称し、1206(建永元)年鎌倉時代、明恵上人が堂坊を復興し中興開山されたという。
また同上人は、後鳥羽天皇から栂尾の地を与えられ、寺名のもとになった「日出先照高山之寺」の額を下賜され寺号は高山寺と改称した。
入山料の支払いを済ませ参道を進むと、直ぐ右手に「石水院(国宝)」の門が見える。境内の石水院は鎌倉時代に建てられたもので同上人が後鳥羽院より学問所として賜ったもので、額の“日出先照高山”は、華厳経の中の句で「朝日が昇って、真っ先に照らされるのは高い山の頂上」という意味で、光り輝く寺院であれとの意が込められている。
楞伽山の中腹にある金堂を目指して、杉木立の中を歩いた。
1994(平成6)年、世界文化遺産に登録された。
高山寺は一時、神護寺の別院で、度々の戦乱や火災で諸堂は消失したが石水院のみが残り、鎌倉時代初期の寝殿造りの優雅な趣を残している。
古くから文化財の宝庫といわれ建築・彫刻・絵画など国宝、重要文化財は一万点にもおよぶという。非公開で唯一有名な「鳥獣人物戯画(国宝)」の模本が、石水院に展示されているのは、残念至極である。帰りは開山堂と聖観音像にもお参りした。また日本最古の茶園の発祥の地といわれている。
境内には、巨大な杉や巨松、カエデなどの樹木がり、自然の景観をそのままに、華厳浄土にふさわしい寺域をなしている。四季を通じてその景観美から観光客も多く、特に紅葉の時期には多くの人々が高山寺に訪れる。
槙尾の西明寺、高雄の神護寺と並んで京都の紅葉の代名詞となっている。
(完)
<栂尾山 高山寺>
所在地:京都市右京区梅ヶ畑栂ノ尾町8 電話:075-861-4204
拝観時間:8:30~17:00
拝観料金:入山料 大人400円 ※障害者200円
石水院 大人500円 ※障害者400円
駐車場:あり
0 件のコメント:
コメントを投稿