2009年6月24日水曜日

妙心寺塔頭・退蔵院

玄関は、袴腰造り
退蔵院の正面の山門
京都花園に位置する妙心寺塔頭・退蔵院に行った。
今から600余年前、室町時代の応永11年に京洛に居を構えた、波多野出雲守重通が妙心寺第三世無因宗因禅師に帰依して建立された寺である。現存山内寺院40余寺中、屈指の古刹である。中興の祖亀年禅愉は後奈良天皇の御帰依深く、特に照天祖鑑の国師号を賜った。
退蔵院の正面の山門は妙心寺塔頭でもバランスの整った美しい形状を残した「薬医門」であると言われており江戸中期に建設された。「勅使門」は親柱二本、控え柱四本からなっており、様式名を「四脚門」という。
玄関は、袴腰造りと呼ばれるもので、「袴腰の大玄関及方丈・昭和41年指定(重要文化財)」がある。破風の曲線が直線になっており、非常に珍しく袴の腰のようになっているという。
江戸初期の富豪比喜多宗味居士より寄進されたもので、法要儀式その他高貴の人々の出入り以外は使用されなかったという。
退蔵院・本堂国宝『瓢鮎図(ひょうねんず)』次に、方丈は退蔵院の目玉で「国宝」に指定されている『瓢鮎図(ひょうねんず)』が飾ってある。この絵は、山水画の始祖、如拙の作品で、将軍・義持の命により心血を注いで描き、現存する彼の作品中逸品の傑作といわれている。
「鮎」とあるのは「なまず」のことで、普通「なまず」は「鯰」という字を書くが、中国由来の「鮎」と表記されている。
この瓢鮎図は、芦の生える川の畔に、一田夫が両手で一瓢を押さえて立ち、水中に泳ぐ魚を捕らえんとする光景が見られる。「ただでさえ捕まえにくいなまずを、こともあろうに瓢箪で捕まえようとする。」なお、如拙の門流には周文・雪舟また元信など狩野派に大きく影響を与えているという。陰陽の石庭史跡名勝枯山水、元信の庭
元信の庭もあるが、室町時代の画聖狩野元信の作品で、絵画的な優美豊艶の趣を失わず、独特の風格を備えている庭園だ!
「枯山水」が禅宗寺院の「方丈庭園」をして発展していった訳は、山・川・海・の大自然で『大宇宙全てを限られた広さの中で表現する』ものと言われているのだ!禅宗哲学の根本ときっても切り離せない独特の世界があった。また父正信のもと、創造した狩野派画法の基礎を確立した。
退蔵院方丈庭園「元信の庭」は、画家としてもっとも円熟した70歳近くの頃の築庭とされている。描いた絵を再度立体的に表現をしたもので、最後の作品が造園であったことで珍しい作品の一つと数えられている。奥へと進むと余香苑がある。大休庵で抹茶を嗜むご婦人
余香苑は四季折々の草花や樹木が楽しめる余香苑は伝統的な厳しさの中にも優雅さを含んだ名園。構造上目立たぬ苦心が随所に払われており、正面から庭園を見渡すと、奥行きが生まれ、庭園が広く見えることがあげられる。
この広大な庭園は造園家中根金作氏の設計で昭和38年に着工、41年完成した。池の形状は瓢箪になっていて四季折々の草花や樹木が楽しめる。最近まで、余香苑の瓢箪池には「鯰」が生存していたというが、残念ながら死んだと説明していた・・・また、大休庵で庭園を鑑賞しながら、抹茶を銘菓「瓢鮎菓子(500円)」とともにご賞味いただける。 銘菓「瓢箪と鮎の菓子」
余香苑東屋人々に癒しを与える音としても注目を浴びている「水琴窟」もある。江戸時代に庭師が考案したといわれる日本庭園の巧妙な装置は、明治から大正にかけて流行、いま、再び静かなブームを呼び起こしている。
なお、方丈内の襖絵と「囲いの席」は普段非公開だが特別公開もある。

場所:京都市右京区花園妙心寺町35 
電話: 075(463)2855(代)
拝観時間: 午前9:00~午後5:00
お抹茶:余香苑大休庵にて※別途500円要
拝観料:400円● 障害者250円
交通:電車 JR嵯峨野線「花園駅」下車徒歩10分
   バス 京都バス・市バス「妙心寺前」下車徒歩5分

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