京都 常林寺（じょうりんじ）

左京区出町柳の常林寺は、通称「萩（はぎ）の寺」の名で人々に親しまれておる。毎年9月初めより庭一杯に咲く萩の薄紫色の花は、萩まつりのころがもっとも見ごろになる。

常林寺は創建のときから知恩院とのゆかりが深く、浄土宗の末寺で光明山摂取院という。

本堂の本尊は阿弥陀三尊像が安置されている。 1573（天正元）年、念仏専修僧、魯道（ろどう）和尚によって開創され、現在の寺町通荒神口の一角に最初の堂宇が建立された。

寺町の大火で類焼し堂宇を悉く焼失し、現在地へ地所替えとなり、1698（元禄11）年、英譽（えいよ）によって現本堂が再建された。 本堂の正面が開放され、その奥にご本尊の阿弥陀三尊像が礼拝できるが普段中々拝むことが出来ない・・・。

境内には世継子育（よつぎこそだて）地蔵尊も祀られている。 古の門前からは若狭街道を往来する人々の信仰を集めたといわれ、“砂の河原”に囲繞（いじょう）され、肩を寄せ合って立つ、当寺と長徳寺、正定院の浄土宗三ヵ寺は「砂川の三軒寺」と呼ばれたという。

また、幕末のころ常林寺は、勝海舟が宿坊として利用していたといわれている。 常林寺の狭い境内は萩の花で埋もれ、秋分の日ごろには境内一面に萩の花が咲き乱れている。 　

＜萩の寺　常林寺＞

場所：京都市左京区川端今出川上る東側　

拝観：境内無料

時間：9:00～16:00

交通：京阪電車　出町柳下車すぐ 　　　

　　　 市バス　出町柳下車