1971年(昭和46)まで府庁の本館として使用、現在も執務室や会議室として使っており、現役の官公庁建物としてはもっとも古い。この建物の設計者の松室重光氏は東京帝国大学で西洋建築を学んだ京都府の技師だった。
旧知事室は2階の南東角に位置し、東側の窓から大文字山や比叡山・京都御苑を望む抜群のロケーション。
旧知事室や旧食堂、旧応接間、急貴賓室には4つの暖炉がある。
特に旧知事室の大理石にタイルを組み合わせたもので、上部に大きな鏡が付いているが光を取り入れたものという。また、一層手の込んだ格天井(ごうてんじょう)などがある。また、木製の足付飾棚は府庁の建築と一緒に計画された家具は多くの彫刻を施し明治期の典型的な高級様式家具、ギリシャ建築「アカンサス」をモチーフした美術工芸的価値の高い家具である。
「村井吉兵衛」氏は明治37年、約1億円の寄付だったという。また、旧知事室には明治天皇がきた時の菊の御紋がある。
大正天皇(大正4年11月)、昭和天皇の即位の礼(昭和3年11月)には、府庁内で内務省の閣議がされたと言う。また人類初の宇宙飛行士、ガガリーンは1962年(昭和37)京都に来日、バルコニーから府民の歓迎に応えたという。
この地は京都守護職上屋敷があったという。幕末、警備のための役所があり強い権限が京都町奉行に与えられていたという。創建時の姿をとどめる旧本館は、2004年(平成16)国の重要文化財に指定された。
つづき・・・