gottuan's room
~ らくさいの三宝路 ~
2012年9月10日月曜日
重陽の節句 烏相撲(からすずもう)上賀茂神社
昨日(9日)、上賀茂神社で重陽の節句(ちょうようのせっく)の「烏相撲(からすずもう)」が行なわれた。 9月9日は、九という陽の数字が重なることから「重陽の節句」といい、古来、この日に菊酒を飲んだり、菊花についた露で肌を拭ったりして災厄を祓い悪霊退治の信仰行事となったという。
烏相撲の起源は、上賀茂神社の祭神の祖父・賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)が神武天皇東征に際し、八咫烏(やたがらす)に姿を変えて先導したという故事があり、信仰と烏相撲との結びつきが深いとされている。
平安時代から続く伝統行事で、相撲童子たちが土舎(つちのや)に集合し、皇女・齋王代(葵祭)が御禊を午前10時に神事のため本殿に参詣、約一時間神事は執り行われた。
午前11時、立砂(たてずな)のある細殿前に設けられた土俵で、神職が円を二つ書き、その上を8の字形に歩くという儀式があった。
白装束に烏帽子(えぼし)姿の刀祢(とね)と呼ばれる2人の役が、カラスのようにピョンピョン跳ねながら立砂の前に弓矢や刀などを奉納し、「カーカーカー」「コーコーコー」と鳴き真似をした。
立砂が東西に置かれ、行司がそれぞれの相撲童子を引つれ、土俵中央から斎王代の正面に進み出て礼を行い、勝利を願って立砂を三度廻ったあと、土俵下の元の場所に戻った。 立砂は当社の祭神が降臨された神山を模ったものである。
細殿では、今年の葵祭の第五十七代斎王代(ゑり善・亀井敦子さん)が、艶やかな十二単(じゅうにひとえ)に身を包み烏相撲を陪覧(ばいらん)した。 カラスが鳴く様子を模した独特の神事に続いて、禰宜方(ねぎかた)、祝方(ほうりかた)に分れ、地元の氏子の童児が真っ白な褌一丁姿の元気いっぱいの相撲を取った。 地域の氏子の小学校3年生から6年生までの男児、約20名を選抜、市無形民俗文化財の指定を受け保存会の人たちの協力で成り立っている。
重陽神事では、本殿に御景物(白菊・黄菊)を供え、烏相撲は無病息災、五穀豊穣を感謝する伝統行事であった。 境内では鮮やかな黄色の花弁が浮かべられた災厄祓いの御神酒・菊酒が振舞われた。
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