北野天満宮の「ずいき祭」は、10月1日から5日まで行われる“収穫を感謝”する秋祭である。
1日、「ずいき祭」が同宮一帯で始まり、初日は午後1時から神幸祭が営まれ、鳳輦(ほうれん)や鉾などの行列一行が氏子地域を練り歩いた。


古風な衣装を身にまとった行列が天満宮を出発し、約1・5km先の御旅所まで3時間かけて歩いた。


ずいき神輿の出迎えを受け、辺りは華やかな雰囲気に包まれた。


神幸祭は午後1時、獅子、太鼓、御榊に続いて巡行路を案内する猿田彦大神が乗る「導山(みちびきやま)」の天狗、本殿前の左近の梅・右近の松にちなんだ「梅鉾」と「松鉾」が行列をする。錦蓋・管蓋の後に可愛い八乙女の行列が続く。


輦(れん)は神事などで行幸される神霊や天皇の乗り物のことで、第一鳳輦(ほうれん)には主祭神・菅原道真、鳳輦には屋形の上に鳳凰、第二鳳輦、葱華輦(そうかれん)には道真の嫡男、葱の花の飾りがある、第三鳳輦には奥方が載っている。


16時ごろに約150人の行列一行は上ノ下立売通西大路西入るにある御旅所に到着した。


三基の神輿が無事に御旅所に安置された後に着御祭が行われ、行列に参加した稚児による「八乙女・鈴舞」「八乙女・田舞」が奉納された。
御旅所に飾られるずいき祭と呼ばれるのは、ずいき芋や赤茄子、栗、柿、稲穂といった野菜や果物などで造られた「ずいき神輿」に由来し、歴史は古く、天満宮の氏子たちが室町時代ごろに行っていた、『ずいき神輿』の行列を中心にした祭が起源という。


ずいき祭の神幸祭は、応仁の乱で途絶、再開されたのは明治時代、現在のような祭の形態になったという。


「ずいき神輿」は奉安されているが、今では二基と淋しくなってしまったが江戸時代には八基が各町から出ていたという。天満宮例祭にお供えとして奉げ、慶長の頃から野菜を神輿として飾るようなったという。
屋根はずいき芋(里芋の茎〕で葺き、神輿の各部はすき間もなく野菜や穀物や湯葉・麩などの乾物類で埋められている。


神輿の四面には、謡曲や昔話から採った「因幡の白兎」や「かちかち山」などの造り物が取付けられている。 屋根に使われるずいき芋(里芋の茎)、四隅の瓔珞(ようらく)は、白ゴマ・九条ネギの種・水菜の種・赤茄子・柚子・五色唐辛子などで埋め尽くしている。


天満宮の神人(じにん)が収穫した作物に草花を飾ったのが始まりとされ、室町時代には行われていたという。三基の御神輿は氏子市中を巡行した後に北野神社御旅所に入った。


御旅所境内と参道には多くの縁日出店が立ち並び、大勢の参拝者で秋祭りの賑わいとなっている。
祭は、10月1日に神幸祭の行列が北野天満宮より御旅所に渡御、4日に御旅所から北野天満宮への還幸祭が行われる。
<北野天満宮 ずいき祭>
住 所:京都市上京区馬喰町北野天満宮社務所 電話:075-461-0005
北野神社御旅所/御輿岡神社
住 所:京都市中京区西大路通上ノ下立売西入ル西ノ京御輿岡町
拝 観:拝観自由
交 通:JR嵯峨野線 円町駅下車 徒歩約6分
市バス 北野中学前下車 徒歩約3分
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