小高い緑に囲まれた大乗寺は「酔芙蓉の寺」として有名になり、境内がスイフヨウの花で埋め尽くされているので、8日参拝がてら観に行った。
御陵駅から住宅街をぬけると急な石段を上ると大乗寺がある。

大乗寺境内では、一日のあいだに白から紅色へと色を変えるスイフヨウが約1500本以上咲いている。

芙蓉は庭先や公園など、どこにでも目にすることができるが、同寺の1000本以上あるスイフヨウは珍しく今年も参拝した。

スイフヨウは八重咲きで、朝は純白、午後は淡い桃色に変化して夕方から夜半にかけて紅色になってくる。

中国ではスイフヨウを酒に酔って頬を染める‘楊貴妃’の美しさにたとえ、お酒を飲むと顔色がだんだんと赤みを帯びるのに似て酔芙蓉の名が付いたと言う。

花言葉は「繊細の美、淑やかな恋人」という、美人の例えに使われている。

芙蓉には一重のものと八重のものがあり、昔から茶花として使われてきたという。

紙の原料や下駄の緒など、また花や葉の粉末は腫れ物の特効薬として使われていたという。


開基は戒禅比丘隆韶大和尚といわれ、禅宗系の寺から法華の寺に改宗されたと伝えられている。

代々尼寺として受け継がれてきた無本山の寺だったが、約200年前に法華宗の大本山本能寺の末寺となったという。

山科に転住後、荒れ寺の復興に努め、スイフヨウの苗100本寄贈を受け、挿し木して約1500本まで増やし今日のように大乗寺は「酔芙蓉の寺」となった。

はからずもご近所のスイフヨウの庭も見させて頂いた。

庭一面に咲くホトトギスとシュウメイギクとスイフヨウは圧巻だった。

朝は純白く咲き、昼頃から淡い桃色に染まり始め、夕方には紅色に変わるといい、一日花のはかなく諸行無常の悟りを教えている。 (10/8撮影)
<酔芙蓉の寺・大乗寺>
場所:京都市山科区北花山大峰町38-1
電話:075-591-5488(お問合せは17時まで)
拝観:無料
交通:地下鉄東西線「御陵駅」下車、徒歩15分
駐車場:有り
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