つづく・・・遠野の道の駅で友と遅い昼食をとり、大迫町へ向けて出発した。曲がり家の千葉住宅は遠野から盛岡へ向かうR396の右手にあり僅か5,6分で到着した。


見晴らしの良い小高い丘の中腹に石垣を築き、曲がり家の最盛期に建てられ、小城を思わせるような屋敷構えだった。


千葉家は現在も住宅として使用されていて、家は人が住むことによって命脈が保たれている。現在は敷地と建物の一部が公開されている。付属建物や石垣などを含め、屋敷構えがよく残されており、2007年に建物と宅地が国の重要文化財に指定された。


千葉家住宅は江戸時代の南部地方特有の母屋(住居)と馬屋を平面L字形に連結した農家建築『曲り家』を代表する建物として知られている。
石垣の上にそびえるこの曲がり家は総面積が163坪もあり、かっては作男の15人をふくめ25人の家族が住み、馬20頭も同じ屋根の下で生活していた。厚さ約1メートルのカヤぶき屋根の葺き替えには約20日間かかり、2トン積のトラックで60台分のカヤとフキ大工など600人を超す人が必要だった。


曲り家は、人の住む母屋(おもや)と馬のいる馬屋(うまや)が一体となったL字型の建築様式の住宅で、人馬が一つ屋根の下で暮らしていた。
大きく分けて馬屋・土間・住居の3つの空間からなり、南向きに建てられた母屋(住居)の西部分から南へL字形に飛び出した部分が土間と馬屋である。


一般的に曲がり家は、馬屋の部分が日当たりのよい南側に面していることが多く、馬の特産地でありながらも寒い東北地方において、人々が馬を大切に育てていたことを窺い知ることが出来る。千葉家住宅はゆっくりと時間を掛けて来たいところである。(8月9日写真撮影)野村胡堂につづく・・・
<千葉家住宅>
住 所:岩手県遠野市綾織町上綾織1-14 電話:0198-62-9529
営業時間:8:30~17:00(11月~3月9:00~16:00)年中無休
入場料金:一般350円 高校生250円 小・中学生100円
交 通:JR遠野駅から早池峰バス綾織・達曽部線『千葉家』下車
盛岡市、花巻市から国道396号で遠野市街への入口付近
無料駐車:30台あり
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