五台山清涼寺は、一般に嵯峨釈迦堂の名で呼ばれ親しまれている。
開基は奝然(ちょうねん)上人で985(寛和元)年、尊像を中国から日本へ持ち帰ったという。しかし、その願いを達しないまま1016(長和5)年、奝然は没した。かれの遺志を継いだ弟子の盛算(じょうさん)が棲霞寺の境内に建立したのが、五台山清凉寺である。
本堂(釈迦堂)の裏庭に放生池があり摩尼殿(弁天島)と忠霊塔がある。戦争犠牲者の霊を弔う供養塔で、地下には1万週千個の1石1字の写経石などが納められている。大方丈と庭園をみる。
西門の薬師寺の脇には「生の六道」、小野篁が冥土と現世を往復していた福生寺(現薬師寺)と伝えられている。また、「豊臣秀頼公の首塚」もある。大阪城の三の丸跡地から出土したものを清涼寺再興に縁があり、この寺に1983 (昭和58) 年、納められた。
鐘楼は、江戸時代のもので足利義政、義尚、日野富子などの名がある。
清涼寺の境内は広く、一切経蔵や愛宕権現社、多宝塔、嵯峨天皇宝塔・檀林皇后宝塔、奝然上人の墓、源融の墓、聖徳太子殿などがある。いま仁王門は修理中である。
<清涼寺(嵯峨釈迦堂)>
住所:京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46 TEL(075)861-0343
交通:市バス「嵯峨釈迦堂」下車徒歩約1分
JR嵯峨野線(山陰線)「嵯峨嵐山」下車、徒歩約15分
拝観料:300円 障害者 不可
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