2016年7月2日土曜日

夏越の大祓い

30日、各神社では大晦日の年越し行事のような派手さはないが「夏越の祓(なごしのはらえ)」が行なわれた。夏越の祓は、半年分のケガレを落とす行事で半年後の12月末には厄除けをする「年越の祓」がある。この二つの行事は、心身を清めてお盆や新しい年を迎えるためのものである。
御霊神社の夏越の大祓。夏越の祓とは、「茅の輪をくぐり(ちのわくぐり)」によって、半年間の汚れを祓い清めて無病息災を祈願、日本各地の神社で行なわれている伝統行事である。
八の字を書くように三度くぐり抜ける。境内に作られた大きな茅の輪の中を「水無月の夏越の祓する人は、千歳(ちとせ)の命延(の)ぶというなり」と唱えながら八の字を書くように三度くぐり抜ける。
白峯神宮の茅の輪をくぐり。
茅の輪をくぐることで、病気や災いを免れることができるとされている。
由来は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらひ)に遡り、昔、ある兄弟のところに一人の旅人(スサノオノミコト)が現れて一夜の宿を頼んだ。
熊野神社の茅の輪をくぐり。
裕福な兄は旅人を冷たく断り、貧しいながらも弟の蘇民将来(そみんしょうらい)は温かく旅人を振舞ったという。 数年後、旅人(スサノオノミコト)が恩返しにと再び蘇民を訪れた。
岡崎神社の夏越の大祓。その教えに従って「茅の輪を腰に付け」たところ疫病から逃れられ、子々孫々まで繁栄したということである。
祗園八坂神社は大勢の人々。
午後三時から始った茅の輪をくぐり。家の玄関に『蘇民将来札』というお札を貼り厄除けにするという風習が残っている。
人の形を模した紙の形代(かたしろ)で人形に自分の名前や年齢などを書き、それで体を撫でて人形に罪やケガレを移し、身代わりとして唐櫃に納め神職が人形を流す神事で清め、厄を落とした。
京都では「水無月」と呼ばれる、三角形(氷を意味する)の伝統的な和菓子があり、日常無意識のうちに身についた穢れや災いを祓い落す神事で、「夏越の祓」も大切な節目の行事とされている。(6/30撮影)

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